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1000円台で楽しむ おとなの居酒屋

260種類もの品数を誇る、京成沿線屈指の大衆酒場 ゑびす(四ツ木)

浜田信郎
【第12回】 2008年3月28日
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 下町酒場の名店がひしめく京成押上線にあって、沿線屈指の大衆酒場と絶賛されているのが、昭和26年創業の老舗、四ツ木の「ゑびす」です。

 細長い台形の形をした店内は、その形に合わせるように横長い20人ほど座れるコの字カウンターが厨房を囲んでおり、「大衆割烹」と大書された、その長さ7メートルという大のれんが客を迎えます。

 下町では「ボール」という略語で呼ばれることが多い焼酎ハイボール(270円)を注文すると、すぐにサワーグラスで出されたボールは、氷とレモンスライスが1枚入って、うっすらと琥珀色。下町のボールは、焼酎、炭酸のほかに、「ハイボールのもと」という調味液が加えられて、この色になるのです。

 カウンター正面の壁にずらりと並ぶ短冊メニューは、その数なんと260種類ほど。値段もまた素晴らしくて、えんどう豆や納豆の170円に始まって、チーズ、冷やっこ、セロリなどが210円、もつ焼き(皿盛り)各種が250円、自家製サラダ、お新香、おひたし類などが270円と続き、向こうのおじさんが食べてるカワハギ刺身だって、小ぶりとはいえ、1尾丸ごと、肝付きで370円ですからねぇ! さすがは下町酒場です。

 そんな膨大なメニューの中から、最初の一品は温かい肉豆腐(370円)を選択。下町らしく甘い醤油味で煮込まれた肉豆腐は、豆腐が見えないほどたっぷりと玉ねぎと豚肉がのっていて、ハフハフといただくと、あっという間に空腹も癒されます。

 まわりのお客さんたちは、それぞれ近所に住んでるという男性ひとり客。毎日のようにこの店に来てるんだそうで、入ってくるなりお互いに「ヨッ」なんてあいさつをして飲み始めます。

 最初のうちは、私を挟んだ両側の常連さんの間で、キャッチボールのように会話が交されていたのですが、そのうちに「な、おにいさんもそう思うだろ」なんて絶妙なパス回しで、知らぬ間にその会話の輪に加えてくれるのも下町ならでは。

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浜田信郎

1959年、愛媛県生まれ。造船会社で働く設計士。サラリーマンの傍ら、名店酒場を飲み歩く。その成果を綴ったブログ「居酒屋礼賛」は、呑んべいに大人気。著書に『酒場百選』(ちくま文庫)がある。


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