トレーニングは数学の証明問題で

 論理力を鍛えるために一番良いトレーニングになるのが、数学の証明問題です。

 学校教育で一番初めに証明問題を本格的に習うのは中学2年生の時。
具体的には、「文字式の利用」「三角形の合同を証明する問題」などで習います。

 数学の証明問題は、論理のトレーニングそのものです。
わかっている仮定をもとに、筋道立てて説明して、結論を導くのが証明です。証明の途中で論理の飛躍や欠如があった場合は、減点対象になります。

 そのため、基本的な論理力を鍛えたい方には、中学2年生の教科書や参考書を使って、文字式や三角形の合同の証明問題を解くことがおすすめなのです。

 中学2年生で習う文字式を使った証明問題には、たとえば次のようなものがあります。


(問題)
ある2ケタの正の整数があり、その数と、その数の十の位と一の位を入れ替えた数をたすと11の倍数になる。このことを証明しなさい。


 中学2年生で習う内容ですが、みなさん問題なく解けるでしょうか。

 この問題を論理的に証明する場合、文字式を利用する必要があります。
2ケタの正の整数は10から99まであり、これら90個の整数をすべて力づくで調べていくという方法もありますが、それでは時間がかかりすぎるので、文字式を利用して一般化して解くのです。

 まず、2ケタの正の整数を、文字式を使って表します。
あとで十の位と一の位を入れ替えるので、2ケタの正の整数を1つの文字で表すのではなく、2つの文字を使って表す必要があります。

 具体的には、ある2ケタの正の整数の十の位をaとおき、一の位をbとおきます。
すると、ある2ケタの正の整数は10a+bと表せます(たとえば、2ケタの正の整数である51は、5×10+1と表せますよね)。

 また、ある2ケタの正の整数10a+bの十の位と一の位を入れ替えた数は、10b+aと表すことができます。

 10a+bと10b+aをたして11の倍数であることを証明する問題ですから、これらを実際にたします。

 10a+b+10b+a=11a+11b

 10a+bと10b+aをたすと、11a+11bになったわけですが、11a+11bは11の倍数と言えるでしょうか。

 11a+11b=11(a+b)という変形をすると11a+11bが11の倍数であることが言えます。
なぜならa+bは整数だから、11(a+b)は「11×整数」ということになり、これは11の倍数だからです。

 これで、「2ケタの正の整数と、その数の十の位と一の位を入れ替えた数をたすと11の倍数になる」ことが証明できました。

 以上のことをまとめると下記の解答になります。