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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

段ボール業界随一の原価計算の鬼!
アースダンボールに学ぶネット販売の真髄
~奥田敏光社長に聞く(下)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第14回】 2010年3月12日
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セミオーダーの箱に凝らされた工夫

アースダンボールの製品群の中で、その大きな特徴となっているのは、セミオーダーの商品である。そこには原価を下げ、顧客に適正な価格で、多くの選択肢を提供する知恵が詰まっている。

アースダンボールの奥田敏光社長

 セミオーダーのダンボール箱だと「抜き型」というものを、写真をとってホームページ上で公開し、お客様に使って頂くという仕組みを作りました。それもこれまで、ご注文いただいたもので、汎用性のあるものを公開していくということによって、だんだん数が増えてきた。

 抜き型というのは、注文された箱の大きさのベニヤを用意して、そこに刃を埋め込んだものです。それは型屋さんで作ってもらいます。機械に抜き型をセットして、プレスしてダンボール箱を作っていくわけです。抜き型は2万円から5万円、大きい物だと10万円くらいかかる。1人のお客様しか使わずに、次の注文が1年後だったりすると、1年間、抜き型が遊んでいる。

 いろいろな客様から注文もらって、数が増えると抜き型の管理も大変です。それで「型」をホームページで公開して、他のお客さんに使っていただく。定期的に使うと「型」自身にもいいし、既存の型ですむセミオーダーのお客さんは型代もいらない。両方にとって、良い仕組みです。万が一他のお客様のために使って減ったりしても、公開したものは10年間保証しますよということでやっています。

 普通の会社ですと、2年から3年で型は処分するか、お客さんに返します。もちろん「型」の中には、公開出来ないものもある。お客様のノウハウが入っていたり、複雑な形状である客さん専用で作っているとか。それでもホームページの方で、公開しているのは約780種類あります。全て箱の写真もとって、寸法別にソートが出来るようになっている。値段も無地の時、印刷の1色の時、2色の時という形になって、全部見積もり値段を出してあります。

 かつては趣味がてら、自分でプログラムを書いていましたが、いまホームページの開発は社内にSEが2人いるので、そのSEがやっています。社内システムもかなり出来あがっていて、ウェブからの注文の取り込みから、材料の発注から進行管理、請求書発行、伝票発行、入金の管理まで全部システム化して、社内のサーバーでやっている。全て内製したものです。

 ウェブのほうは最初、既製品のツールを使っていましたが、それだと件数的に追いつかなくなった。社内で作りサーバーをたててやらないと、効率的にうまくいかない。しっかりとしたものを作りこんでいくということで、今のようなシステムに発展していったということです。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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