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石油部門をシンガポールへ移管
試される三井物産の実力

週刊ダイヤモンド編集部
2012年8月3日
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“丸ごと”移管でアジアの石油取引での存在感を高める狙いだ
Photo by Toshiaki Usami

 三井物産が、5年前から温めてきた構想を形にする。8月1日、石油の取引部門を海外へ全面的に移管するのだ。

 石油トレーダーはもちろん、担当のトップに至るまで合計20人を東京から異動させ、現地で80人体制を築く計画だ。

 新しい本拠地にするのは、ニューヨーク、ロンドンと並ぶアジアの原油取引拠点、シンガポール。原油は一滴も出ないが、世界有数の貿易港という好立地から、ロイヤル・ダッチ・シェルやエクソン・モービルといった欧米の名だたる石油メジャーや、中国最大のエネルギー会社ペトロチャイナなどが拠点を構える。

 三井物産の石油取引部隊といえば、大手商社の中でも屈指のトレーダー集団。石油関連の原料・製品の合計で日量約50万バレルの取扱量を誇る。

 だが、三井物産は世界の名だたる石油会社がシンガポールに集まる中、子会社がナフサ取引に関する損失の隠蔽を行ったため、2007年に拠点を閉鎖、石油取引事業を大幅に縮小していた。

 「このまま世界の石油会社と同じ土俵で情報収集することができなければ、相当な痛手になりかねない」(三井物産関係者)──。

 しかも、「今後10年間、アジアの石油需要は、年率3%で増加する」(三井物産)と見込む。その強い危機感が、取引部門“丸ごと”移管の決断へと経営陣を動かした。

 今後10年で、重油の取扱量を3割以上拡大することなどを目指すが、当然、拠点を移したからといって、すぐに利益につながるわけではない。こうした中、世界のプレーヤーと伍していくことができるのか、三井物産の実力が試されている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 脇田まや)

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