グーグルやヤフーの検索よりも友人や知人の口コミ

 読者のみなさんは、モノやサービスを購入する時に最も参考にしている情報源は何でしょうか?

 ニールセンの調査によると、モノやサービスを購入するときに最も信頼している情報源は、1位が「友人」で、2位が「家族」という結果でした。

 駅前でラーメン屋さんのビラを配られたりしても、単なる宣伝として見過ごしてしまいがちですが、友だちのラーメン愛好家から勧められたらどうでしょう。「山田がそんなに勧めるなら、新しくできた油そばの店に行ってみようか」という心理状態になるわけです。

 これは、ソーシャルメディア上でのやりとりでも同じです。むしろ、リアルの場合よりも拡散による伝播が加速します。

 筆者も参加する社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会では、2011年Web広告研究会宣言として、これからのWebマーケティング戦略として、「ポスト検索――変わる 生活者、Digitalコミュニケーション時代に向けて」と題して検索に変わるソーシャルメディアの役割の重要性を宣言しています。

 これは、消費者のインターネット行動様式のトレンドが、「ポータル」から始まり「サーチ」、そして現在は「ソーシャル」と大きく変わってきていることを指摘しています。

 最近のメディアの種類を表す言葉として、「トリプルメディア」という言葉があります。これは、ポータルサイトなど、多くの情報で人を惹きつけるパワーを持つ場として、企業が主体となり情報発信を行なう「ペイドメディア」と、顧客や顧客になり得る消費者にさまざまな情報提供を行なったり、また消費者から情報提供をいただいたりと両者が対等に付き合うことで関係性を深める場としての「オウンドメディア」、そして、消費者同士が情報発信し合い、口コミでお評判が大きなうねりを生み出すこともある消費者が主体となっている「ソーシャルメディア」のことを指しています。

 同研究会では、企業はそれぞれに適したコミュニケーションプランを駆使しなければならないと提言していますが、その中でもソーシャルメディアが台風の目のごとく、いまいちばん注目されています。

 ここで強調しておきたいのは、ソーシャルメディア上での会話で、モノやサービスに「友人や知人の共感」が価値として付与されているということです。