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吉田恒のデータが語る為替の法則

通貨大動乱!外貨に起こった「信じられない劇変」

吉田 恒
【第2回】 2008年10月29日
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 先週から再燃した金融混乱の中で、為替もものすごい動きになってしまいました。その中で、今まで「上がり過ぎ」だった通貨が、一転して「下がり過ぎ」に変わるなど、外貨を取り巻く環境でも、信じられないような劇変が起こっています。

「下がり過ぎ」領域に入ったオージー

 今回の大混乱で一つの主役になっているのが豪ドル「オージー」です。そのオージーの総合力を示す実効相場(BOEインデックス)が、上述の「信じられないような劇変」の典型でしょう。

 オージーの実効相場は、過去20年間、80~100のレンジで推移してきました。それが、今年7月下旬には105まで上昇、何と89年11月以来19年ぶりの高値をつけたのです。

 実効相場が100を超えるということは、この20年の常識からすると「上がり過ぎ」ということ。その意味では、その後のオージー急落も、当初は「上がり過ぎ」の修正ということだったと言えるでしょう。

 ところが、今月に入ると、今度は一気にオージー実効相場が80を割ってきました。10月23日現在では76。これは2003年5月以来5年半ぶりの安値となります。そして実効相場が80~100のレンジを下回るのは、過去20年間の常識からすると「下がり過ぎ」。つまりオージーはたった3ヵ月で「上がり過ぎ」から「下がり過ぎ」へ激変したのです。

豪ドル実効相場
豪ドル実効相場

 絶対水準もさることながら、これだけの激変だけに、下落ピッチもかなり記録的になっています。5年移動平均線からのかい離率は、過去20年間マイナス20%を超えたことがなかったのですが、それが現在マイナス20%に急接近しているのです。

豪ドル実効相場と5年移動平均線からの乖離率
豪ドル実効相場と5年移動平均線からの乖離率

 このように、水準も、スピードも「行き過ぎ」領域に入っているというのが現在のオージー安の状況です。オージーの通貨当局がここ数日、通貨安阻止介入に動き始めているのは、こういった状況があってのことなのです。

通貨大動乱でバリュエーションは
どうなっているのか?

 ほかの通貨についても見てみましょう。たとえば米ドルの実効相場の5年移動平均線からのかい離率を見ると、これまで下がり過ぎだったのが、この間の円以外の通貨に対するドル高でほぼ修正されたことがわかります。

米ドル実効相場と5年移動平均線からの乖離率
米ドル実効相場と5年移動平均線からの乖離率

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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