不動産・開発危うい狂乱#4Photo:PIXTA

池袋駅東口から真っすぐ延びるグリーン大通りには、東京メトロ副都心線の新駅「東池袋駅」の候補地がある。豊島区と東京メトロはかつて、利用客が見込めるようになった段階でこの新駅を設置する確認書を取り交わしていた。特集「不動産・開発 危うい狂乱」(全13回)の#4は、副都心線新駅の実現性を探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

豊島区はメトロとの間で
新駅について「確認書」

 東京・池袋駅の東口から真っすぐ延びるグリーン大通りには、東京メトロ副都心線の新駅「東池袋駅」を設置する候補地がある。副都心線が2008年に開通してから10年以上、「候補地」の座に甘んじてきた。

 副都心線が新線として計画された当時、東池袋駅を設置する案が出されたものの、結局外された。グリーン大通りには副都心線新駅候補地の隣に東京メトロ有楽町線東池袋駅があり、交通の需要は満たされているという判断だった。

 しかし、これで副都心線東池袋駅誕生の芽が消えたわけではなかった。池袋駅がある豊島区は、副都心線が開通する約10年前の1999年、東京メトロ(当時の営団)と「確認書」を取り交わしていた。そこには、相当数の利用客が見込めるようになった時期に工事を行う旨が盛り込まれた。

 新駅の候補地には「副都心線の建設工事をしたときに、将来新駅を造りやすいように配慮がなされた」と関係者は明かす。