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シアトルの街を訪ねて考えた 日本住宅市場の“元気回復策”

■SPECIAL INTERVIEW ―― 井端 純一 ホームアドバイザー代表取締役社長

シアトルの街を訪ねて考えた
日本住宅市場の“元気回復策”

著者・コラム紹介

日本の経済エンジンが「貿易」であるのに対し、米国は「住宅」だといわれる。サブプライムローンの騒ぎも落ち着き、現在、米国住宅市場は底堅く動き始めた。最近、シアトルを中心に現地住宅市場を視察してきたホームアドバイザー・井端純一社長に、話を聞いた。

エメラルドシティ ──その魅力と人気

ホームアドバイザー社長 井端純一 いばた・じゅんいち/同志社大学文学部新聞学(現メディア学)専攻卒。リクルートを経て、『週刊CHINTAI』『ZAGAT』取締役編集長などを歴任。2003年、ホームアドバイザーを設立。新築・土地専門サイト「新築オウチーノ」、中古専門サイト「中古オウチーノ」、リフォーム業者検索サイト「リフォーム・オウチーノ」、建築家マッチングサイト「建築家オウチーノ」、賃貸専門サイト「キャリルーノ」などを運営。著書に『広報・PR・パブリシティ』(電通刊)などがある。

──シアトルは米国を代表する都市の一つだが、なぜ今、あえてシアトルを訪ねたのか。

 シアトル周辺にはマイクロソフト、コストコ、アマゾン、スターバックスなど世界的企業の本社があり、人口流入が多くて、ワシントン州の人口は10年ごとに20%増えている。州人口は約673万人。世界の知性が集まり、街と住民が調和して見事な共生を見せている。また、マイクロソフトのビル・ゲイツやポール・アレンら富裕層も多く、彼らが社会事業として莫大な寄付を行いインフラ整備など街づくりを推進しているのも面白い。

──いわゆる住環境マネジメントの先進地を見て、何を感じたのだろうか。

 米国人がシアトルを「エメラルドシティ」と呼び、最も住みたい都市の一つに挙げる気持ちがよくわかった。緑の中に住宅が点在しており、実に美しい。犯罪率が低く、住民同士互いを見守りながら住む街は、意外なほど防犯対策が講じられていない。機械的管理を入れずとも安全・安心を保てる──そうした要素も、シアトルのステイタスの一部となっている。地方拠点都市に人が集まるのは、民族性というより働き方の違いが大きいが、日本の地方都市にもこうした独自の発展を遂げる所があればと、うらやましく思った。

90年代のIT化により 劇的に変化した米国市場

──最近、元気に欠ける日本の住宅市場が、参考にできそうなヒントはあるか。

 日米の消費者調査で、「住宅は資産として有利な投資対象だと思うか」という問いを投げかけたところ、米国人の87.2%がイエスと答えたのに対し、日本人は37.1%と極端に低かった。日本人は住宅を耐久消費財であると考え、米国人は有利な投資対象だと考えている。彼らはライフステージに合わせ、身の丈に合った住宅を選んでは買い替え、生涯に数回引っ越す人もいる。これを支えているのがITを活用した不動産流通の仕組みだ。

──IT活用というと。

 将来を見据えた投資でもある住宅は、積極的に情報を開示し、取引に透明性を持たせ、誰もがいつでも売買できる状態にして初めて、流動性が確保できる。米国の住宅市場は、1970年代まで現在の日本と似たようなものだったが、90年代のIT化の波とともに劇的に変わり、発展した。つまりインターネットによる情報共有と透明性がカギだ。ITリソースなら、日米に大きな差はない。ここを梃子に、日本の住宅市場もブレイクスルーできるかもしれない。

これで完ペキ! 「王道」の住宅選び 表紙画像
この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2012年9月30日号 『新築マンション・戸建て 「王道」の住宅選び』の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。

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