知っておきたい海外投資の税金 2012年8月20日
Q1

海外預金の利子に対する課税はどうなりますか?

 海外の銀行に預金した利子は、利子所得として総合課税となります。利子は円に両替するしないにかかわらず、支払われた時点で所得と認識され、その日の為替レートで換算し、他の所得と合算して確定申告することになります。

 国内金融機関の預貯金に対しては、円預金・外貨預金を問わず、利子に対する20%の源泉徴収で課税が完結します。それに対して海外の金融機関からは源泉徴収することができないので、税法の本則に戻って総合課税になるわけです。

 外貨預金をする場合、税務的に国内金融機関と海外金融機関のいずれが有利かはケースバイケースです。

 国と地方を合わせた所得税率は15%(課税所得195万円以下)~50%(同1800万円超)なので、所得税率が20%未満の場合は海外預金のほうが税率が低く、それ以外の場合は国内の外貨預金で源泉徴収されたほうが有利です(一般に海外金融機関のほうが国内金融機関よりも金利が高いため、実際には所得税率のみで優劣は決められません)。

 年間収入金額2000万円以下のサラリーマンの場合、20万円以下の雑所得は申告免除となっています。主婦やフリーターなど年間の給与所得が65万円(給与所得控除の最低額)以下の無所得者の場合、年間38万円の基礎控除以内なら申告の必要はありません。

 この条件を満たす人で、海外預金の利子を含む雑所得の合計が規定の額に達しない場合、所得を申告する必要はありません(この特例によって、たんに海外の銀行口座に預金をしているだけであれば大半のケースで申告納税の必要は生じないと思われます)。

 この規定は、総合課税の他の所得(海外株式・債券・投資信託の配当、海外預金の為替差益、FX取引や海外先物の利益など)にも適用されます。ただし後述のように、海外株式や会社型投資信託の利益は申告分離課税なので適用外です。

 ここで注意すべきは、申告するかしないかは納税者の意志に任されているということです。医療費控除などを受けるために確定申告した場合は、仮に申告免除の範囲内であってもすべての所得を申告しなければなりません(経費のみを申告することはできません)。

<最終更新:2012/08/01>

 


橘玲の書籍&メルマガのご紹介
世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。
経済、社会から国際問題、自己啓発まで、様々な視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。
「世の中の仕組みと人生のデザイン」 詳しくは
こちら!
橘 玲の『世の中の仕組みと人生のデザイン』 『橘玲の中国私論』好評発売中!

関連するQ&A

海外投資必勝マニュアル&本

海外投資のノウハウが凝縮! ここで紹介しているコンテンツ、書籍はすべて、ネットから購入が可能です。さらに「海外投資実践マニュアル」は「海外投資を楽しむ会」の会員になれば割引価格で購入可能です。

作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
橘玲×ZAiONLINE海外投資の歩き方
作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
subcolumn下影

ページのトップに戻る

本WEBサイトに掲載している全ての記事およびデータについて、その情報源の正確性・確実性・適時性を保証したものではありません。本サイトの提供情報を利用することで被った被害について、当社および情報提供元は一切の責任を負いませ ん。万一、本サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社および情報提供元は一切責任を負いません。本サイトからアクセス可能な、第三者が運営するサイトのアドレスおよび掲載内容の正確性についても保証するものではなく、このような第三者サイトの利用による損害について、当社は一切責任を負いません。また、併せて下段の「プライバシーポリシー・著作権」もご確認ください。