株式レポート
8月13日 18時0分
マネックス証券

高成長だった日本経済〜正常化には程遠い〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

・本日発表された4―6月の日本実質GDP成長率は前期比年率+1.4%と堅調な伸びが確認された。極めて高い伸びとなった1―3月(同+5.5%)とあわせると、2012年前半に日本経済は年率+3.4%もの高成長を実現したことになる。主要先進国の中では、数量ベースでみればもっとも高い成長となった。

・この高い成長率は、以下の押し上げ要因で約30%が説明できる。ようやく執行された復興需要(公共投資)で約10%、エコカー補助金による自動車販売急増で約20%、である。今後2012年後半は、これらの押し上げがなくなることに加えて、今度はエコカー補助金の反動減が成長率を押し下げる。

・また、2012年前半、欧州債務問題・世界経済減速への懸念で市場は揺れたが、実際には輸出は2四半期連続で増えた(年率換算+9.4%)。7月以降の各国の経済指標をみると、米国では雇用統計など労働関連指標改善など明るい兆しもあるが、中国など新興国を含め輸出・製造業景況感指数の停滞が続いている。実際には年前半の成長を支えた輸出の押し上げは、年後半以降消失するとみられる。

・また、景気ウォッチャー調査など家計の心理状況を示す指数は、夏場にかけて既に悪化している(グラフ参照)。これらの消費動向をあわせて判断すると、年前半までの高成長はとうてい続かず、2012年後半に日本経済は、ほぼゼロ成長程度まで減速すると予想される。


・一方、今後2012年度中、日本経済は低成長が続くとしても、その先2013年度から、日本経済は一時的な要因で再び押し上げられる。先週可決された消費増税前の賭け込み需要が、2013年度に起きるためだ。これで、2013年度の日本の成長率は、住宅投資、個人消費を中心に約1%ポイント押し上げられると試算される(当然、14年4月以降はその反動減があらわれる)。

・2012年から日本の経済成長率は、政策効果の一時的な影響で非常に振れが大きくなり、本当の実力が把握しにくくなる。具体的には(1)12年前半:高成長→12年後半:反動減、そして(2)13年度駆け込み:高成長→2014年度:反動減、である(グラフ参照)。消費税率引き上げにともなう、駆け込み需要発生とその悪影響が、市場で材料になるのはもう少し先だと予想されるが、この点について別の機会で説明したい。


・ところで、日本経済は2012年前半に高成長を実現したが、株式市場をはじめ金融市場ではほとんど材料にされなかった。その一つの理由は、日本の主要産業の業績が、海外経済の変動や為替レートで動くため、株式市場はほぼ海外要因で決まることである。政策効果で一時的に成長が押し上げられても、それは自律的な回復につながらず、外的要因のリスクが大きく影響するということだ。

・もう一つ日本経済の「成長」が材料にならない理由は、8月1日レポート「失われたままの20兆円を取り戻すには」でご紹介したが、日本経済が数量ベースで成長しても、デフレ放置策が続いているため、名目GDPが全く増えないためである。「デフレが続く限り日本経済が正常化し異常な金融市場の姿が変わらない」とほとんどの投資家が想定しているわけだ。

・「日本のGDP成長率が、投資家にとって材料にはならない」のは、身も蓋もない話だが、デフレが一向に止まらない限りやむを得ない。なお、4―6月のGDPデフレータは前年比-1.1%と引き続き大幅なマイナスで、内需デフレータはマイナス幅が一段と拡大しておりデフレは依然深刻である。


(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

10月号8月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【最強「株」ランキング&ふるさと納税・秋冬版】
速報! 上方修正必至好スタート株13
・3年で2倍を狙う「儲かる株」ランキング!
成長+割安+配当の「3拍子揃った最強株25」
[17-18年秋冬版]ふるさと納税 大カタログ
・禁断の ふるさと納税「還元率」ランキング
株で1億円作る とっておきのマル秘ワザ
美人主婦のコツコツ「デイトレ」術!
・毎月分配型投信「本当の利回り」激辛診断!
・アナタの危険度は?「老後貧乏」から脱出!
利回り6%超も! 直近3カ月の「新設優待株」
・まだ買える? 高値更新中の米国株をチェック
・勝谷誠彦の「兵庫県知事選挙・散財記」

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! クレジットカードに関するクチコミ情報大募集中!