金利以外の「諸費用」での競争激化にも期待

 金利水準が当面の底を打った現状を考えると、今後は住宅ローンの実質金利に影響を与える「諸費用」の動向にも注目したいところです。

 全国で取り扱うノンバンク系のフラット35では、㈱ファミリーライフサービスと、㈱優良住宅ローンの2社が、低金利&低水準の融資事務手数料で一歩リードしていましたが、楽天銀行も今月から借り換え向けの融資事務手数料を「融資額×0.735%」に引き下げるキャンペーンを始めています。

 フラット35の場合は、融資事務手数料のほかにも、団体信用生命保険特約料(おおむね0.35%程度の金利負担に相当)の影響で、実質金利が高くなってしまうため、この2つの諸費用が抑えられるかどうかも重要なポイントになります。

 35歳程度より若い世代なら、住宅金融支援機構の団信に加入するよりも、保険料水準の低い一部の民間生命保険会社の「生活保障保険」などに加入することで、保障コストを下げることもできます

 この保険商品は、一定期間にわたって年金方式で保険金が受け取れるタイプの定期保険で、名称は保険会社で異なります。たとえば現在30歳で、ローンの返済額が毎月10万円(ボーナス払いはない)、残りの返済期間が25年、という場合、年金月額=10万円、受取期間=55歳まで、という内容で契約しておけば、万一の際も、遺族は受け取る年金でローンが返済できることになります。

  著書『いますぐに、住宅ローンを借り換えしなさい!』では、その際の注意点や、該当する保険商品の一例を挙げておきましたが、たとえば、「借入金額:2360万円、返済期間:25年、金利:2.0%」の場合、毎月返済額は10万29円です。
  この場合の住宅金融支援機構の団信特約料はトータルで約116万6000円にも上りますが、A生命の生活保障保険の場合、30歳男性だと、年金月額=10万円(25年間)に対する毎月の保険料は2480円(25年間の総額では74万4000円)ですので、機構団信に加入するより、保障コストは大幅に軽減されます。

 金利以外の条件にも注目して、借り換えで利用する住宅ローンを選びましょう。