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オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略
【第3回】 2012年8月23日
著者・コラム紹介
大島 誠 [日本オラクル エンタープライズソリューション統括本部 インダストリーソリューション本部 担当ディレクター]

オムニチャネル時代、
私たちの暮らしはこう変わる【後編】

サチ、初めての店で自分の好みが伝わっていてびっくり!

オムニチャネル時代に私たちの暮らしはどう変わるのか。前回に引き続き、自分好みの買い物を楽しむOL・サチの1日を描いたフィクション小説風のストーリーでその様子を紹介してみよう。お気に入りの店でランチをした後、カバン店を回ってすっかり昼休みが過ぎるのを忘れていたサチは慌てて職場に戻り、アポイントがある得意先に飛んで行った。

午後、お得意さんの所へ。
何とか直帰にこぎつける

 午後は、新しい商品の説明のため得意先のZ社を訪問する予定だ。

 サチは、今日はそのまま直帰してやろうかと思っている。上司には説明が長引いたということで、後で電話しておけばよい。実は、帰りに父に頼まれたゴルフ用品店で品物を受け取るだけでなく、今朝、電車の中でスマートフォンを見ている時に、友達の加奈子の口コミで見つけたスィーツのお店に寄ってみたかったからだ。

 そうこうするうちに得意先に到着、すると突然、担当のAさんからこう言われた。

 「サチさん、今やオムニチャネルの時代なのよ。生活者はシームレスなのよ!」

 唐突な発言にサチは少々戸惑ったことは言うまでもない。というのもこのお得意さんは、ITのことなんてまったくのちんぷんかんぷん。旧石器時代に生きているのかというくらい、サチが何度新商品の説明をしてもなかなか理解してもらえかったのだ。

 よくよく聞くと、この前上司に連れられてある会社のセミナーに行ったそうで、「オムニチャネル」は、どうやらそこで仕入れた情報らしい。「へぇー」と聞き流しながらも、お得意さんに言われた大切なキーワードだと思い、スマホのメモ機能にささっと書き留めた。

 得意先の訪問は思った以上に早く終わった。上司に「直帰します」と電話しようにも、さすがに少し早すぎるので、このままだと帰社命令を言い渡されてしまう。そこでサチは、近くのコーヒーショップで時間をつぶすことにした。

 そしてスマホの「お気に入り」に保存した、加奈子の口コミが載っているスィーツの店のサイトを見ながら、やっぱりおいしそうだと思った。

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大島 誠 [日本オラクル エンタープライズソリューション統括本部 インダストリーソリューション本部 担当ディレクター]

外資系IT企業にて小売業・流通業のソリューション・スペシャリストとして、多くの小売業の業種・業態のシステム導入、業務改革を支援。コンサルティング会社を設立して独立後、主にマーチャンダイジング(MD)の最適化に力を入れるとともに、日本のみならずグローバルの小売業の動向や、MDシステム等の小売業・流通業のIT動向を研究。最新のITコンセプトや事例には自らの経験を通じて真の可能性を追求し支持を集めている。日本オラクル入社後はオラクルの小売業担当スペシャリストとして、ITベンダーの立場で、小売業・流通業のIT革新支援に従事。

 


オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略

ウェブサイトやスマートフォンなどのデジタル分野と実店舗などのリアル分野、双方に無数の顧客接点を設け、これらを融合して究極の顧客満足を実現する「オムニチャネル」時代が間もなくやって来る。顧客一人ひとりの価値観を具現化する購買は買い手の感動となり、売り手へのロイヤリティ向上にもつながっていく。真のカスタマーエクスペリエンスとは何か。オムニチャネルマーケティングの第一人者である筆者が、その近未来像を描く。

「オムニチャネル時代の「体験」マーケティング戦略」

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