女性は、嫌いな人ほどよく見ている

 ちなみに、女性は、あなたが思っている以上に、上司の一挙手一投足をよく見ています。しかも、嫌いな人ほどよく見ています。上司が上の人間にペコペコしている姿、ミスを部下に押しつけている姿、デスクでの無頓着なふるまいや、オフィス内を歩く足音までチェックしています。携帯電話の家族との会話の様子から、ご家庭の状況まで察しているかもしれません。

 女性のこうした行動は、決して悪気でやっているわけではありません。ただ、女性のほうが記憶力が良かったり、観察力が鋭いという、生物学的な違いがあると言われています。たとえばEQ(共感指数:Empathy Quotient)と呼ばれる、人の身になって考える能力、人の気持ちを直感的に理解する能力は、女性のほうが高いという研究結果が出ているそうです。

 こういった女性の記憶力や感情は、悪いことばかりに作用するわけではありません。たとえば、
「何をやっても仕事で失敗が続いたとき、『失敗ばかりだけれど、○○は逃げないからいつか良い記者になる』と言ってもらった」
「普段から怖めの上司が、私が仕事で大きな失敗をしたときに、お客さんとの間に入ってフォローしてくれ、さらに顔面蒼白状態の私に『もうするなよ』と優しくたった一言。ミスに対する私の焦りや反省をすべて理解してくれていると感じた」

 失敗の矢面に立ってくれたり、忘れられないような一言を授けてくれた出来事、こういったことも女性は決して忘れないのです。

 上司からすれば「そんなこと言ったっけ?」ということかもしれませんが、「あの一言で今日までがんばれています」と感謝され続けることができます。上司として、これに勝る幸せがあるでしょうか。女性たちがイキイキと働く姿から、上司としての仕事のやりがいをもらえるのではないかと思います。

 このように男性からすれば一見「理解不能」「あり得ない」と思うことも、実は男女間の「違い」であることも多いのです。この事実に気づいていただくだけで、女性に対する見方が変わり、女性を活かす大きな一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。

 次回は、女子社員が陥りやすい「被害妄想」について解説します。


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