貢献:受講生の志向に合わせたコースと環境づくりで受講しやすく

 福祉は専門性の高い分野であると同時に、誰にとっても無縁では済まないこと。130時間の講習を修了してホームヘルパー2級の資格を得ることで、両親の介護に備える人も少なくありません。また、ヘルパー2級を取ればすぐに介護の仕事に従事できるので、1か月1時間の単位から就労できる登録ホームヘルパーになってフリーランスに近い形で働く人も多いそうです。そのためホームヘルパー2級講座は受講希望者が多い講座です。ベストウェイ・ケア・アカデミーの2011年のホームヘルパー2級講座の修了生は600名、2012年は1000名になる見込みといいます。

 一方、福祉の専門家になっていく人向けのケアマネージャーや介護福祉士の受験対策研修講座は、試験の合格率が学校の評価に直結します。2011年、ベストウェイ・ケア・アカデミーはそれぞれ50名の修了生を出しました。合格率はケアマネが60%、介護福祉士が80%でした。合格率の全国平均はケアマネ15%、介護福祉士60%ですから、ベストウェイの合格率はかなり優秀です。

「熱心な受講生には勉強のしかたを教えてあげればいいのです。自分で勉強するから力がつきます。講師育成も同じで、アカデミーの講師にはマニュアルを与えず、自分で考えてもらいます。講師の質は絶対条件ですから注意が必要です」(馬淵さん)

 受講生は、働いている20代や30代、定年を迎えた男性、子育てが終わった主婦など多種多様。利用者の便利に配慮した土日の開講も人気が高い理由の1つです。

「ホームヘルパー2級を取得しやすい環境を作ると同時に、スキルアップや高い資格取得をして正職員になる人材を増やすことも福祉界には必要です。もう一度ベストウェイに戻ってきて勉強してほしいのです」(馬淵さん)

 そこには、資格を得ることをゴールに学校に来るのではなく、資格取得から福祉のプロへの道に進んでほしいという馬淵さんの願いがあります。そのために、資格取得者の就職支援にも力を入れています。ケアマネージャーや市の主催する講座の講師等の実績から、馬淵さんは豊中市の福祉界では有名人です。現場のほうから、ぜひ卒業生を送ってほしいという要請が来ます。それぞれの施設の特徴もよくわかっているので、受講生の適性に合わせて紹介をするそうです。