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イケテルカノジョ養成講座

Un homme et une femme 男と女

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第16回】 2012年8月24日
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私は名誉のために何をしたか。
恋のためなら何だってしたのに――、ジャン・ラシーヌの『ベレニス』の一節。

 

 大人の恋の話をするなら、『男と女』というフランス映画がいちばんいいと思う。

 やっぱりね、映画を見るならフランス映画です。このフレーズはわかる人にしかわからないのだけど。

 『男と女』という映画を知らなくても、映画で使われた音楽なら若い人たちもご存じのはず。ダ~バ~ダ~、ダバダバダ、ダバダバダ、ダ~バ~ダ~、ダバダバダ、ダバダバダと言えば……、わからんか、文章じゃ。

 制作は一九六六年というから、私のオムツが取れたかどうかというころの作品だ。

 さらに遡れば、私がいちばん好きな『天井桟敷の人々』という映画は第二次大戦中につくられたわけだし、紫式部の『源氏物語』を男女の愛のかたちを描いた作品と詠めば、日本では千年も前から男女のロマンスが語られていたことになる。

 『雨夜の品定め』なんて巻は、宿直の夜、若い公達たちが仕事中に酒をかっくらって、女房にするならこんな感じがいいあんな感じががいい、いやいや、女性はやっぱりこうでなくちゃ――、と延々“ボーイズトーク”を繰り広げるお話です。

 江戸元禄の時代にはさまざまな“心中もの”が歌舞伎や浄瑠璃で上演され、つまるところ“男と女の恋物語”は不変ということになる。大奥の“江島事件”なんて好きだな、私。

 ということで『男と女』。仏題は『Un homme et une femme』だから、タイトルは直訳そのまま。ストーリーはとてもシンプルです。

 男と女が出会い、惹かれあい、恋に落ち、別れ、でもやっぱり互いに求めあっちゃうという物語……、二行で終わってしまう。編集者との打ちあわせでこんなプランを出したら即ボツですね。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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