家賃節約のために親と同居、は逆に貯まらない

 学校を卒業し、就職してすぐの給料は安い。会社に安い寮がある人や、十分な家賃補助がある人でないと、親の家を出てひとり暮らしをするのは、経済的に苦しい。ほぼ不可能な場合もあるだろう。計算上は、親の家で暮らしたほうが、家賃や光熱費がかからない分、お金が貯まりそうだ。が、現実は逆だ。

 ひとり暮らしをすると、少ない給料でなんとか生活していくために、お金のことを真剣に考える。どうやって節約するか。限られた金額でどう楽しみ、どう貯めるか。いやでも工夫することになる。その中でお金の知識やセンスが身についていく。これは一生の財産になる。

 もっと豊かに暮らすため、どうやったら給料が上がるか、真剣に考えるし、そのために行動する。5年後、10年後の収入に大きな差が出る。

 親元にいると節約しない。その気になればたっぷりできる貯金も、必要を感じないからしない。給料を上げる努力もしなくなる。その結果、お金の知識もセンスも身につかない。給料が上がらないどころか下がることも。

 中央大学教授・山田昌弘氏らの分析によると、「両親と同居する35歳以上の未婚者の平均年収は、94年の204万円から10年後に138万円に減少」(毎日新聞2012年5月2日)。もちろん、失業や収入減で親と同居せざるを得ない人もいるだろう。しかし、親に頼っているから収入が伸びないという面は否定できない。

 ひとり暮らしで得られるマネーセンスと、収入を上げたいという切実な思いは、今後のあなたの人生を大きく変える。

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 次回の「貯まる人は手間をかけずに貯めている」では、お金を貯める人になるための具体的な小さな習慣、方法についてご紹介する。

 *今回は、『お金が貯まる人 貯まらない人』の、「はじめに」「第2章」の一部から構成しました。


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