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異色対談 小飼弾vs勝間和代「一言啓上」

勝間和代vs小飼弾 異色対談第3回
「テレビを刈れ!」

【第3部】 2008年7月4日
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勝間和代(かつま かずよ)
勝間和代(かつま かずよ)
知的生産術、決算書の読み方からフレームワーク力の鍛え方まで、彼女の書く本がことごとくベストセラーになる「知的生産術の女王」。近著は『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/

勝間 ウェブは、まだまだ紙に比べたらだめなんじゃないかと思っています。やっぱり解像度が低すぎるんです。文字が読みづらい。情報量が低い。眼に対して優しくない。

小飼 空間方向の解像度は粗いです。時間方向に関しては、ものすごくきめ細かなことができる。そもそも、時間方向の解像度という概念そのものが、雑誌なんかにはなかったですよね。

勝間 今程度の空間方向のテクノロジーにおいては、あんまり長文を読ませてはいけないんですよ。6ページくらいあると、途中で「なんかもういいや」って感じになる(笑)。

小飼 ウェブを読み慣れてる人は、(記事が何ページもある)ページネーションは嫌がります。クリックよりスクロールの手間のほうが少ないので、多少長い記事でも1ページに載せちゃったほうがいい。

 日経とかCNETなんかは、ものすごく細かくページネーションしますよね。たぶん広告を入れる場所を増やすためだと思うんですけど、あれは逆効果だと思う。

勝間 そうですね。ただ、記事だと紙でも読めるけれど、ネットならではの技術もある。ポッドキャストなんかは使えますよね。

小飼 ウェブでしか見られないコンテンツってのは、少ないようで実際はいくらでもある。日本でいちばん上手くやったのはニコニコ動画ですね。あれはスゴイ。ウェブにしかできないもん。ほかのメディアには逆立ちしても真似できない。だから「安売り」するなって言ってるんだけどね。

勝間 安いですね、プレミアム会員

小飼弾(こがい だん)
小飼弾(こがい だん)
本職はプログラマー。専門書からマンガまで、彼が書評で紹介する本がことごとくベストセラーになる「カリスマαブロガー」。著書に『小飼弾のアルファギークに逢ってきた』があるhttp://blog.livedoor.jp/dankogai/

小飼 安い。広告だって、取ろうと思えば、もっと取れるのに。ただ、ウェブの住人って、シャバ以上に「お金の臭い」を嫌うんです。僕は必ずしもいいことだとは思っていないんだけど、そういう現実があるので、いかに「臭さ」を感じさせず、きれいにお金を流す仕組みが必要になる。

勝間 金儲けは狡いという儒教的価値観。たとえば、アフィリエイトも「汚い」みたいな価値観がありますよね。私にはよく理解できないんですけれども。

 ウェブだって誰かがつくるわけで、タダじゃないわけですよ。だから、たとえば弾さんのブログで面白い本を教えてもらったら、アフィリエイトだって喜んでクリックするのが本当の礼儀だと思うんです。

 お金は「感謝の表れ」ですから。気持ちよく何かをしてもらったコントリビューターにお金を払うという習慣が、ウェブでも定着してほしい。

小飼 こればかりは、見る側の意識が変わっていくのを待つしかないでしょう。テレビのコマーシャルに何億円もクライアントが払うようになったのだって、すぐにではなかったはずです。やっぱり、それなりの時間がかかるんですよ。意識を変えろ、って言うと説教になるし、説教したらモノは売れません(笑)。忍耐力が重要なんです。

勝間 とはいうものの、既存メディアに割く私たちの時間シェアはどんどん縮んでいますから、そこにいたら死んでしまうのは明らかなんです。死なないまでも縮小均衡になってしまうので、ネットにおける「アイボール」のつかみ方を考えるしかない。シンプルな議論ですよ。ただ、コンペティターは死ぬほどいる、と。

小飼 まあ、コンペティターって言っても、眠たいやつばっかりです。テレビなんて、いちばん眠たいんじゃないですか。今までオイシイ仕事ばかりしていたので。

勝間 彼らは、コンペティターがいないところで仕事していましたからね。

小飼 だから、刈ればいいんですよ。(テレビは)強いと思って、みんな恐れ入っているだけで、いくらでも食えます。

勝間 テレビの時間シェアをですね。

小飼 あと、広告もね。もう、「知ってもらうための広告」って時代じゃないでしょう?。買ってもらってナンボじゃないですか。テレビは知らせればいいというところまでしかできないんですよ、メディアの宿命として。

勝間 最近、「この先はウェブで」っていうキーワードで終わるテレビコマーシャル増えてますよね。

小飼 そうそう。あれもテレビ局が出したアイディアじゃなくて、クライアントが出してる。

勝間 そうですよね。

小飼 はい。広告出してる人たちのほうが、よっぽど考えているんです。広告主よりバカな人に広告なんか出しますか?。自分が広告を出す立場になってみれば、いろいろと見えてくることはあるのに、テレビはなーんもやっていない。

 これだけモノがあふれてる時代だから、僕は広告市場はまだまだ伸びると思う。今だって雑誌広告なんかは減ってるというけれど、広告市場全体では伸びてるわけでしょう?。

対談の次回テーマは「教育はどうよ!」

勝間 まあ、GDP並みには伸びてますね。GDPに占める割合は1%台というところじゃないでしょうか。

小飼 僕はGDPの10%を占める時代が来てもおかしくないと思います。ただ、その時代の主役はテレビではありえない。

(次回掲載は7月9日) 

企画構成/『週刊ダイヤモンド』副編集長 藤井一  撮影/住友一俊

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知的生産術の女王・勝間和代、カリスマαブロガー・小飼弾が、ネット広告から、グーグルの本質、天才論に至るまで持論を徹底的に語り合った。豪華対談を6回にわたって連載する。

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