今回も前回に引き続き、ネットイヤーグループ株式会社 石黒不二代 社長に「仕事の極意」についてお話を伺います。今回はその【後編】です。 【前編】はこちら

■ 社長ファイルNo.9 ■

ネットイヤーグループ株式会社
代表取締役社長 兼 CEO 石黒不二代 氏

■ 石黒社長が選んだ「仕事の極意」(スキル)は・・・ ■

コミュニケーション/モチベーション

ネットイヤーグループ株式会社 石黒不二代社長 に聞く【後編】 「“人生の棚卸し”で、自分を徹底的に見つめる訓練を」石黒不二代(ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO)
名古屋大学経済学部卒。卒業後、ブラザー工業、スワロフスキー・ジャパンを経て、スタンフォード大学に留学。MBAを取得。シリコンバレーにて、コンサルティング会社を起業。1999年に帰国し、ネットイヤーグループに参画。2000年より現職。経済産業省 IT経営戦略会議委員も務める。著書「言われた仕事はやるな!」(朝日新書)、「ゲームオーバー宣言」(ランダムハウス講談社)をはじめ、雑誌・ウェブ等への寄稿も多数。


 「自分の役割は何か」を
常に意識する

高城 前回は、石黒さんの仕事に対する考え方を伺いました。そこで今回は、組織のリーダーとしての石黒さんに迫ってみたいと思います。子どものころから、ずっと“リーダー”だったそうですね。

石黒 小学校1年生のころから、学級委員長とか生徒会長とかをやっていました。もともとすごくおとなしい子だったのですが、たまたまゲーム好きが嵩じてIQが高かったため、「委員長になれ」と(笑)。

 でも最初はものすごく違和感があって、2度ほど、気持ちが不安定になる事態に陥った時期もありました。そのうち克服しましたが。

高城 どうやって克服したんですか?

石黒 こんなことではダメだと思って、もっと責任感のある自分になろうと心がけました。この姿勢は今でも変わっていません。

ネットイヤーグループ株式会社 石黒不二代社長 に聞く【後編】 「“人生の棚卸し”で、自分を徹底的に見つめる訓練を」 ただし今は、会社のリーダーとしての責任というより、もっと根源的な「この世に生きていく責任」のようなものを感じています。人はいつか死にます。しかし、よく考えてみれば、意思と感情のある人間として生まれていること自体、すごく不思議なことだと思うんです。

 だとすれば、生きている以上、絶対に“何かの役割”があるはずです。私は無神論者ですが、「私は、何かの役割を果たすために生まれてきた」と考えています。だから、今何をすべきか、役割をまっとうするにはどうすればいいか、ということを常に考えるようにしています。

 では自分の役割は何かと考えると、1つは、組織をまとめていくこと。今の世界を動かしているのは経済なので、その一部である会社という組織を運営していくことで、一定の人を幸せにできるのではないかと思っています。

高城 役割という意味では、経営者だけではなく、1人1人のビジネスパーソンも持っているはずですよね?