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イケテルカノジョ養成講座

男と女II A Man And A Woman, 20 Years Later

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第17回】 2012年8月31日
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 忠実に恋をすることに夢中になれなかったほど、自分の時間を無駄にしてしまったわけではない。壺がどんなであったかは、破片から充分にわかるものだ――、アダン・ド・ア・ラールの『緑陰劇』より。
 

 男と女は、ホテルのレストランで向かいあってテーブルに着いている。

 二人はステーキをオーダーし、ウェイターは焼き加減を訊いている。他にご注文は、と訊くウェイターに、二人は、それだけでいいと応える。ワインも頼まないのは、男は車で来ているからだ。しかも、夜っぴとい走りどおしで、昨夜は一睡もしていなかった。

 「ねえ、他にも何か頼んだほうがいいんじゃない?」

 厨房に向かうウェイターの背中を窺うように見て、女が言う。

 そうだな、と男は応え、じゃあ、ウェイターを喜ばせてあげようと意味ありげに笑う。そしてウェイターを呼び戻して、告げるのだ。

 「追加でオーダーを頼む……、部屋を予約したい」

 これが、映画『男と女』のエンディングだ。主人公の男女が結ばれる直前の会話を回想するシーンで映画は終わってます。とってもお洒落な構成。映画がどんな物語なのかは前回のイケテルカノジョを読めばわかります。たぶん。

 雪解けを待つのではなく春の陽が雪を溶かすように、男の情熱が、過去を忘れられない女の頑なな心を溶かして物語は終わった……、かのように思っていたら、実はそうではありませんでした。

 うまくいかなかったのだ、あの二人は。
  そして、あれから二人がどうなったのかを描いた作品が『男と女II』という映画。

 つまりは“続編”があるのです。では、続編がどんな物語かと言うと……、というようなことを言うと、何だか映画のコラムでも始めてしまったかのような気がするのは気のせいだろうか。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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