「AKB48」と「全日空&駐車場のパーク24」に、同じビジネスモデルを見る

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 今回の話のオチを最初にバラしておくと、「AKB48」である。ただし、そのオチを理解してもらうために、生食用の牛レバーや、航空業界&駐車場事業などの話に付き合っていただく必要がある。

 ということで早速、本題に入ろう。2012年7月から、生食用の牛レバーの販売・提供が禁止された(厚生労働省のお知らせ)。筆者などは、牛レバーは「ちょっと脂(あぶら)っこくて……」と遠慮してしまうのだが、好物とする人にとって、今回の禁止令は納得いかないものがあるようだ。

 同じ生食用であれば、筆者は牡蠣(かき)のほうを好む。ただし、一度だけ「あたった」ことがあるので、生牡蠣を食べるときは毎回それなりの覚悟をして、何杯も平らげる。

 そこで問題である。生食用の牛レバーや牡蠣を扱う飲食業界と、今回取り上げる全日本空輸(以下、全日空)や、駐車場事業大手で業績好調なパーク24は、同じビジネスモデルを採用していることをご存じだろうか。

 答えは「鮮度が命」である。

 航空機や駐車場の「鮮度」といわれても、「?」であろう。この問題は、牡蠣を仕入れた料亭の主の立場になって考えてみるとよくわかる。

 生牡蠣は、早く食してもらわなければ食中毒のリスクが高まる。フライにする方法もあるが、それでは商品価値が下がる。

 もし、時間が経過した生牡蠣を卸売市場へ戻して、新鮮なものと「交換」できるのであれば、料亭の主人はそうするであろう。交換どころか、卸売市場へ「返品」できるのであれば、申し分なしである。

 残念ながら、卸売市場はそのような仕組みになっていない。料亭の自己責任において買い切っている。生牡蠣が売れ残ればその分がすべて損になることから、料亭としてはなりふり構わず(という表現は語弊があるか)フライにしてでも配膳しようとする。スーパーマーケットの閉店間際に、生鮮食品の多くが値引きされるのも、同様の仕組みである。

 航空機の場合はどうか。もちろん、機内食に食中毒のリスクがあるというわけではない。もっと重要な視点は、航空機の「座席」が、生牡蠣や牛レバーよりもはるかに「鮮度が高い」性格を持ったものである点だ。

 なぜなら、航空会社は、「今日の座席を明日売ることはできない」からだ。機内に空席があった場合、それは「腐ったも同然」なのである。

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高田直芳 [公認会計士]

1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。

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公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。

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