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日韓通貨交換は“有事”の備え
協定見直しの経済的影響は些少

週刊ダイヤモンド編集部
2012年9月6日
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通貨交換協定はいまや完全に政治問題と化した。野田首相の判断が問われる

 日韓通貨交換(通貨スワップ)協定の見直しが議論されている。懸念されるのは、日本への影響だ。

 通貨交換協定は、国際金融市場の混乱など“有事”の際に、中央銀行同士などで資金を融通し合うものだ。日韓の場合、実質的に日本から韓国への支援である。韓国は、国際金融市場における金融機関の信用不足と通貨ウォンの弱さから、資金流出、ウォンの暴落、ドル不足に陥りやすいのだ。

 2008年のリーマンショック後にもウォンは大幅に下落し、米韓での300億ドルの通貨交換協定締結で収束した。同年12月には、05年に締結された日韓通貨交換協定も限度額を30億ドルから200億ドルに拡大、11年10月には700億ドルに再拡大された。

 韓国で通貨危機が起き、アジア全域に連鎖するような事態を未然に防ぎたいというのが日本の立場だ。もっとも現在、韓国は中国とも通貨交換協定を結んでおり、ASEANと日中韓の多国間協定「チェンマイ・イニシアティブ」もある。外貨準備も3000億ドル超に及び、深刻な通貨危機にまで至る可能性は低い。資金調達難で韓国企業が苦境に陥れば、取引先の日系企業への支払いが滞るという不安もあるが、現地に進出する邦銀の関係者によれば「リーマンショック時にもそこまでの話は聞かなかった」。

 つまり、現状では日韓の協定が破棄されても、影響は小さい。

 ただし、欧州債務危機がくすぶる中での協定破棄は、リスクを高める方向に働くのは間違いない。「韓国からの資金流出はいつでもあり得る。それを早めたり、劇症化させたりする可能性はある」(奥田聡・アジア経済研究所地域研究センター動向分析研究グループ長)。その場合のダメージは韓国のほうがはるかに大きいとはいえ、日本も無傷とはいかない。円高・ウォン安が加速し、日本の輸出企業が韓国企業との競争でより不利になる懸念もある。

 これらを考慮すると、協定自体は維持し枠を縮小するという選択となる可能性が高そうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)

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