記者会見を終え握手するココカラファインの塚本厚志社長(右)とマツモトキヨシHDの松本清雄社長記者会見を終え握手するココカラファインの塚本厚志社長(右)とマツモトキヨシHDの松本清雄社長(2019年8月22日撮影) Photo:JIJI

マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの統合で「ドラッグストア業界1位」奪還は盤石なのか――。ドラッグストア業界を揺るがしたマツキヨHDとココカラの経営統合の発表。スケジュール通りだと来年10月にも統合は実行される見通しだ。だが、折からの新型コロナ感染拡大の影響で両社が首位を奪還しても「三日天下」で終わる可能性も指摘され始めている。(流通ジャーナリスト 森山真二)

マツキヨHDとココカラの売り上げは
コロナ禍直撃で厳しい状況

 マツキヨHDとココカラの新型コロナウイルスの感染が拡大した3~6月の既存店売上高を見ていただきたい。

 マツキヨHDの4月が前年同月比12.5%減、5月が同13.7%減、6月が同9.4%減という状況で2ケタ減が並んでいる。また、ココカラも4月同7.8%減、5月同9.5%減、6月同5.1%減である。

 両社の不振はいろいろといわれているが、マツキヨの既存店売上高の落ち込みは第一に、コロナ禍でドル箱だった訪日外国人(インバウンド)が完全に止まった状況である上、同社が最大の武器としてきた化粧品の売上高が外出自粛、マスク着用の影響を受け下がっているからだ。

 マツキヨHDの小売事業における化粧品売上高比率は39.9%でほぼ4割だ。他のドラッグストアに比べても突出して比率が高い。