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異色対談 小飼弾vs勝間和代「一言啓上」

勝間和代vs小飼弾 異色対談第4回
「“教育”はどうよ!」

【第4部】 2008年7月9日
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勝間和代(かつま かずよ)
勝間和代(かつま かずよ)
知的生産術、決算書の読み方からフレームワーク力の鍛え方まで、彼女の書く本がことごとくベストセラーになる「知的生産術の女王」。近著は『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』 http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/

勝間 私、よく言うんですけれど、結局なんで本を読むのかというと、自分の人生ってすごい短くて、時間が限られているので、他人の人生の疑似体験をしたいからなんです。

小飼 本って掛け算なんで、読む側がゼロだったら、いくら読んでもゼロ。(他人の人生の疑似体験を)ちゃんと翻訳するためには、自分の経験が必要なんです。たとえば、「まったりしてこくがある」って、まったりもこくも、何も食ったことがない人にはピンと来ませんよね。

 ところで勝間さん、今書きたいテーマってあります?。

勝間 ワークライフ・バランスの本は、まだ1~2回はチャレンジしたいですね。だって、日本の国力を上げる一番手っ取り早い方法ってなんだと思います?。

小飼 いくつか思いつくんだけど、どれにしようかな?(笑)。

勝間 即戦力で効いて、しかもコストがかからない方法。答えは簡単で、「女性活用」です。だって、もう教育されて、レディ・トゥ・ワークの人たちがたくさんいるんだから。

 先進国のなかで比較すると、大学教育を受けている女性の就職率が最も低い国のひとつなんですよ、日本は。子供1人大学まで行かせるのに、すごいお金かかるじゃないですか。このリソースを活用しなければ、あまりにももったいない。

小飼 女性に対する“投資”は確かに回収されてませんね。

勝間 そのとおり。会社単位でも、社会全体で見ても。

小飼 これは真っ当な答えね。僕のほうには真っ当でない答えがあって、インドをLBOしちゃえと。

 国力を上げることだけ考えたら、インドの子供に養ってもらえばいいんですよ。インドって、未成年の人口がどれくらいいると思います?。

勝間 数え切れないくらい(笑)。

小飼 4億5000万人。日本とアメリカの人口を足したよりも、まだ多い。インドの未成年人口だけでEUが1つつくれるんです。

勝間 インドの特色は「オープンシステム」ですよね。やっぱり、オープンのほうが強い。あまり(国が)弱いうちにそうしちゃうと食われちゃうんだけれど。

小飼 そう。だから、じつはオープンな世界では「引きこもり力」が問われるんです。

勝間 うまく「開け閉め」するような。

小飼弾(こがい だん)
小飼弾(こがい だん)
本職はプログラマー。専門書からマンガまで、彼が書評で紹介する本がことごとくベストセラーになる「カリスマαブロガー」。著書に『小飼弾のアルファギークに逢ってきた』があるhttp://blog.livedoor.jp/dankogai/

小飼 話はいきなりミクロになるけれど、今はネットがあるから部屋に閉じこもったくらいでは「引きこもり」にはならない。ネットに接続している「引きこもり」は健全なんです(笑)。

 何と言えばいいのかな、国にとって社会にとって、(人材を育む)「苗床」は今後ますます大事になると思う。オープンな世の中になるほど、吹きっさらしに耐えられる「苗」を育てる仕組みが必要になる。

勝間 小飼さんの話を聞いていて思うんですけれど、日本って専門書と入門書の落差が激しすぎると思いません?。

 すごく難しくて読みにくい専門書、子供だましの入門書しかなくて、常に程よいものがない。

小飼 同感。特にIT分野なんてひどい。

勝間 そういう背景を意識して、『利益の方程式』も書いてみたんです。

小飼 裏を返すと、(多くの書き手が)初心者本をなめて育ってきているともいえる。じつは、物を教えるっていうのは、前提となる知識がない人、すなわち初心者に対するほど難しい。

 思うに、いちばん難しいのは保母さんで、次が小学校の教師。はっきり言って大学の先生なんて楽勝ですよ。だって、大人であればサルからだって学べるんだから。そこまでいくのが難しいんであってね。

勝間 教育は、とどのつまりは「手間ひまをかける」以外の結論って、あんまりないですよね。

小飼 ショートカットも王道もない。

勝間 時間かけて、手間ひまかけろと。

小飼 やっぱり大人になってからしっかりやっている人たちというのは、ガキのころさんざん苦労してるのね。ただし、ここで言う「ガキ」とは32歳以下を指しております(笑)。

 勝間さん、初めてのお子さんができたのは21歳の時でしたっけ?。

勝間 そうです。

小飼 その当時きつくなかったといえば、たぶんウソになるでしょう。今思い返せば楽しかったとしても。

勝間 もう、子供抱えてうろうろしてましたね(笑)。

小飼 でもね、ガキのうちに苦労したほうが絶対トクするんです。借金は早めに返せというでしょう。就職してから壁にぶつかるようじゃ遅い。

対談の次回テーマは「天才デフレ」

勝間 教育というより、自立支援なんですけどね。だから、あんまり意味のないことを学んでも仕方ない。日本語でしっくり来る表現がなくて、今「リテラシー」という言葉しか思い浮かばないんですけれど。

小飼 学ぶんじゃなくて、学び方を学ぶ。教育って、そんなもんですよね。

(次回掲載は7月11日)

企画構成/『週刊ダイヤモンド』副編集長 藤井一  撮影/住友一俊

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知的生産術の女王・勝間和代、カリスマαブロガー・小飼弾が、ネット広告から、グーグルの本質、天才論に至るまで持論を徹底的に語り合った。豪華対談を6回にわたって連載する。

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