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国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

未婚の女性が多い街

23区別に見る男女それぞれの結婚事情

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【最終回】 2012年9月11日
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パラサイト化する山の手男子

 晩婚化(実は非婚化)と並び、近年話題を呼んでいるもう一つの社会現象がある。パラサイトシングルだ。直訳すると、「(親に)寄生する独身者」。

 親と同居する25~44歳の未婚者が多いのは、足立、葛飾、江戸川の東部3区。東京で家族主義の伝統が最も強く残っているエリアである。もっとも、親と同居しているからパラサイトというのは早計にすぎる。「やがては同居を望むにせよ、息子は早くひとり立ちしてほしい。娘は、結婚するまでは親元にいてほしい」。そう考えるのは、親の気持ちとして納得できるし、家族を大切にする心の素直な表れでもある。

 事実、東部3区のいずれにおいても、親と同居する25~44歳の未婚者の割合は、女性が男性を大きく上回っている。ところが、23区全体で見ると、男性39%に対し女性41%とほとんど差がない。女性よりも男性の方が高比率の区があるからだ。

 その代表は、目黒区、杉並区、文京区、世田谷区。山の手の住宅区が並ぶ。所得水準が高く、主婦の就業率が低い山の手では、子どもは親の愛情を目いっぱい受け、言葉を換えればいささか甘やかされて育ってきた。掃除も洗濯も食事の準備も親任せ。ひとり暮らしや妻子のある同僚より、はるかに可処分所得も高い。そんな親との同居生活に甘んじているのなら、これはパラサイトに他ならない。

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池田利道
[一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也
[一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら

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国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

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