ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
おもしろ県民性データブック

【岩手県】世俗に惑わされない「素朴」で「純情」なすがすがしさ

都道府県データ:Vol.6

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第6回】 2008年10月24日
著者・コラム紹介バックナンバー

 東北地方のことをあまりよく知らなくても、岩手県というと、多くの人が宮沢賢治や石川啄木を思い出すのではなかろうか。物欲や金銭欲とはいかにも対極にありそうなイメージの「詩」「短歌」の世界。そこに実は、この県の人々特有の気質、発想が象徴されているといってもよさそうである。

 たとえば、岩手県を代表する米は「いわて純情米 ひとめぼれ」という名で知られている。数年前だったか、県が打ち出した21世紀の基本方針には「より人間的に、よりナチュラルに、素顔のままで新世紀を歩き始めましょう。それが岩手の理想とする『がんばらない』姿勢です」とあった。近ごろ強調されるシンプルでエコな生き方こそ、岩手県民のライフスタイルなのかもしれない。

 いかにも都会的といった派手さはないが、そのぶん素朴で、あまり格好をつけない――。そこに岩手の県民性の土台があるといってよい。

 高村光太郎はそうした岩手県人について、「岩手の人 牛のごとし」と記している(『岩手の人』)。牛のように寡黙で真面目、思慮深くて冷静、世の流行や周囲の雑音に惑わされることなく、目標達成に向けコツコツ努力するというのである。

誠実に接し、
時間をかけて意気投合

 それだけに、他人の言動を真に受けやすいところがある。生き馬の目を抜くような競争が繰り返されている都会からやってきた手だれのビジネスマンに、してやられてしまうような場面もありそうだ。だが、それでも恨んだり呪ったりしない、なんとも表現しがたいすがすがしさが岩手県人の魅力だろう。

 県の南部に行くと多少さばけた部分も垣間見えるが、それでも、都会的な“毒”には染まり切っていないように思える。

 そんな岩手県人を相手にウソをついたり見栄を張ったりするのは禁物。どこまでも誠実一本ヤリで接することだ。たとえ“ひとめぼれ”したとしても、意気投合するまでには時間もかかりそうだが、ひとたびそうなれば、お互いに気持ちよく仕事ができるにちがいない。たまには俗世の穢れを忘れ、“純情”を通すのもよいのでは。

◆岩手県データ◆県庁所在地:盛岡市/県知事:達増拓也/人口:138万5041人(2005年10月)/面積:1万5278km2/農業産出額:2541億円(2005年)/県の木:ナンブアカマツ/県の花:キリ/県の鳥:キジ/県の魚:ナンブサケ

データはすべて、記事発表当時のものです

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


おもしろ県民性データブック

各都道府県民に共通する特長や意外な一面を、文化や歴史に基づきわかりやすく解説。各県民の性格を知れば、ビジネス上のコミュニケーションもきっとうまくいく!

「おもしろ県民性データブック」

⇒バックナンバー一覧