メンタリストのDaiGoさんをご存知だろうか。「すべての超常現象は科学的に再現できる」を信条に、暗示や錯覚などを用いた「メンタリズム」のパフォーマンスをテレビ番組などで披露し、人気を博している。彼はなぜ心を操れるのだろうか。DaiGoさん本人に話を聞いてみよう。

DaiGo本人が明かす
パフォーマンスのカラクリ

──DaiGoさん、あなたはテレビでフォークを曲げたり、心を見透かすようなパフォーマンスをしていますが、“超能力者”なんですか。

 超能力者ではなく「メンタリスト」です。私たちが日本流に定義したメンタリストとは、「メンタリズム」を駆使して超能力といわれる超常現象を再現するパフォーマンスをします。

──メンタリズムは超能力ではないんですか。

 違います。科学や心理学などの知識と技術をもってすれば、再現できない超常現象はない。それをやってみせるのがメンタリズムです。心理テクニックや人間工学を使って心を操ります。

──メンタリズムは昔からあるんですか。

 私が知る最古のものは古代エジプトで神官たちが使っていた「ホットリーディング」という手法。彼らはこれでファラオ(王)を操っていました。

 ファラオがお告げを聞きに神殿Aを訪れたら、神官は「あなたの質問の答えは神殿Bに届いています」と言う。ファラオはこの世で最も速い移動手段、つまり最も俊足の馬で神殿Bまで駆けていく。するとファラオへのお告げはもう届いている。

 カラクリは単純。神殿間で伝書鳩を飛ばしていた。他にもさまざまな演出があったのでしょう。それでファラオは神を信じました。