こだわり蕎麦屋めぐり
【第29回】 2012年9月11日 鎌 富志治 [夢ハコンサルティング代表]

茅ヶ崎「猪口屋」――極細のせいろと絶品のカレーうどんを目当てに客が集まる湘南の店

極細のせいろ、カレーうどんを目当てに客が集まる湘南の店。カレーは専門店並に手をかけ、丸2日間かけて仕込む牛筋の煮込みなど肴も極上。白い暖簾の清々しい店構え、肩肘はらず、フランクに過ごせる店の雰囲気はビーチラインのイメージによく似合う。

ビーチラインのイメージによく似合う
すがすがしい顔をした人気の蕎麦屋

「猪口屋」は、茅ヶ崎の海岸通りから少し入ったところにある。茅ヶ崎駅の南口から2kmほどの場所で、駅からバスに乗り、「西浜高校前」のバス停から50mほどで着く。

 2,3人で連れ立っていくのならタクシーで行っても楽しいかもしれない。タクシーに乗って「蕎麦屋の猪口屋まで」と言うと、「ああ、あそこですか。美味い蕎麦屋だそうですね」という声が運転手から返ってくる。まだ、開店して2年半ほどだというのに、もう名前が定着しているようだ。

清々しい店構えの「猪口屋」。ビーチラインから少し入った道に面しているが、特別目立つような看板を上げていないから見過ごしてしまうかもしれない。

 白い暖簾が風にはためいて、ビーチラインのイメージそのままの清々しい顔をした店だ。亭主の畠山利明さんは、「最初から都内で開店する気はなかった」と言う。郊外で伸び伸びと商売をしたかったそうだ。

 休日には多くの客が訪れるため、駐車場が用意され、店頭には席待ちの椅子が置いてある。かつて、人気蕎麦屋には「自転車の客が集まる」といわれたが、休日には何台かの自転車が横付けになる。

 店の中に入ると、オープンキッチンのカフェスタイルになっていて、家族連れや会食で憩えるテーブル席も用意してある。

店内はオープンキッチンでカウンターがメイン。肩肘張らず、フランクに亭主や女将と話ができる。人数が揃ったときはテーブル席で憩える。22時過ぎまでの営業だからゆったりと過ごすことができる店だ。

 ネットの口コミを見ると、「猪口屋」の評価は高い。そこにまずは客は惹かれて来る。「どんな蕎麦なのだろうか」「自分好みの肴はあるだろうか」。そんなワクワクとした気持ちを抑えながら、暖簾をくぐり、玄関を開けるのは蕎麦好きの最も楽しみな瞬間のひとつと言えるだろう。

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鎌 富志治 [夢ハコンサルティング代表]

大手広告代理店で営業局長やプロモーション局長を歴任後、東京・神田須田町で手打ち蕎麦屋「夢八」を開店する(現在は閉店)。現在は企業経営コンサルタント、蕎麦コンサルタントとして活躍中。著書に『こだわり蕎麦屋の始め方』(ダイヤモンド社)がある。
◎ブログ:蕎麦の散歩道


こだわり蕎麦屋めぐり

酒と料理と極上の蕎麦。思わず誰かを連れて行きたくなる、五つ星のもてなしが楽しめる手打ち蕎麦屋。蕎麦が美味いのは当たり前、さらにはそこでしか味わえない料理ともてなしがある店ばかりを厳選。付き合いや接待に良し、大事な人と大事な日に行くも良し。店主がこだわり抜いた極上店の魅力とその楽しみ方を紹介する。

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