……彼は、わたしが探究者として安全地帯から踏みだし荒野を探検しているのだという。「……ダール、きみのような探究者になって、しあわせ、内なるやすらぎ、深遠な意味のある生活をもとめる大勢の人びとに大きな飛躍があるだろう。人類には大きな進化論的変化が起きていて、人類全体が変わりつつある」彼は熱っぽくいいそえた。

「“進化論的変化”とはどういう意味ですか?」

「……“進化論的変化”とはこういう意味だ。多くの人びとは、ひたすら物質的なものをめざすのをやめて、精神的なものに注目するようになっている。なんでも“わたし、わたし、わたし”の自立(インディペンデンス)を考え直して、相互依存(インターディペンデンス)のこのうえない重要性を評価するようになってきた。多くの人びとが、みなおなじ家族の一員であるという事実を意識するようになったんだ。

 いまの世界でもっとも進化した人物、つまり本物のリーダーたち――リーダーといっても、かならずしもCEO、大統領、将軍である必要はないが、多数派にしたがうことを拒む人間――は、もっとも深い部分で、わたしたちはみな結びついているということに気づいた。他人を傷つければ自分自身を傷つけていることになるのを、彼らはわかっている。他人を助ければ自分自身を助けることになるのをわかっている。最先端の科学が示しているように、神秘主義者が何千年も前からいってきたことを実験で裏づけているのだ。量子物理学者は、宇宙は驚くほど相関性のあるシステムで、そこではあらゆることがほかのすべてと関連し、影響を受けている、ということを発見した。……」

「とても興味ぶかいですね」いま耳にしているあらたな情報にすっかり魅了され、わたしはそう答えた。