先日、世界経済フォーラムが毎年発表する世界の競争力ランキングで、日本は昨年より順位を一つ下げて第10位だとのニュースがありました。

石と薔薇

 日本の経済力や競争力の衰退が言われて久しい一方で、毎年夏に開催されるフジ・ロック・フェスティバル等を見ると、各国から第一線の大物バンドが多数参加しています。日本の音楽市場は、やはり世界有数の堂々たるものです。それは世界の最先端の音楽を楽しむ感性豊かな聴衆が存在しているということです。大した文化力です。誇ってもよいでしょう。

 そして2012年のフジロックには、世界が注目する大きな話題がありました。昨年15年ぶりに再結成されたストーン・ローゼズの来日公演です。伝説と化していたバンドの復活が初日のトリでした。しかも、ローゼズの直前に演奏したのは、元オアシスのリアム・ギャラガーが率いるビー・ディー・アイで、翌2日目のトリは元オアシスのノエル・ギャラガーでした。

 オアシスこそローゼズの薫陶を受け、英国ロックを牽引したバンドだったことを思うと、解散したオアシスが復活ローゼズをサンドイッチのように前後で挟み込んで、祝福したとも言えるでしょう。しかも、こんな素晴らしい組み合わせのコンサートは、英国以外では日本でしか実現できません(声高に言う必要はありませんが、日本の底ヂカラのほんの一例ですし、世界中の音楽ファン垂涎の的です)。

 それにしても、色褪せることなきローゼズの魅力は凄いものです。

 と、言うわけで、今週の音盤はストーン・ローゼズの「石と薔薇」です(写真)。