例を見てみよう。事例の画像は、ある会社の活動が進んできた例であるが、給与計算業務の流れをDチャートにしたものだ。Dチャートとは、人とITのかかわりを表したチャートのこと。HIT法ではSチャートを作成した後、Dチャートを作成することができる。 

 

 左側が現状(AsIs)の業務の流れ。ITとITの間にペーパー作業、すなわち手作業が多くはさまっており、非効率的で入力ミスなどが起こるリスクが高い。紙のやりとりを減らし、システムへの直接入力を増やすといった視点で、あらゆるムダを省いた業務プロセスが、右側のToBe(あるべき姿)モデルだ。

 実際には予算などの制約条件があるため、中央のCanBe(暫定案)モデルが現実的な案となる。HIT法を使えば、こうした改善提案を、マネジャー1人でも作成することができてしまう。

 実際に、HIT法の1日体験講座に参加し、その後職場で1人HIT活動を進めている担当者や管理者は多い。ただし、やはり1人でできることには限界がある。

 周囲の人と一緒にHIT活動を進めていく方が、成果が出やすいのは確かだ。まず自分の業務の範囲で成果を出して、それを上司や同僚に披露し、周りを巻き込みながらHIT活動の輪を広げていっていただきたい。

海外拠点でも活用されるHIT法

 HIT法は上場企業を中心に150社以上の企業に導入され、生産性向上やコスト削減などの成果を上げている。最近は自治体や学校からの問い合わせも多く、HIT法の適用範囲は広いと感じている。

 英語版を活用している企業はすでにあるが、中国でも使いたいので中国語版を作ってほしいという要望もいただいている。HIT法はグローバルに通用する手法でもあるのだ。

 学生のなかにも興味を持ってくれる人は多い。どんな業務にも適用できる、即戦力としてのスキルが身に付くからだ。一般社団法人可視経営協会にて「事務革新士補」の認定を受けられる学生向け講座を用意したので、就職活動を有利にする武器が欲しい学生はお問い合わせをいただきたい。

 HIT法はやれば必ず成果が出る。業務改善やコスト削減、リーダーシップの発揮など、明日からの業務にすぐに役立つスキルが得られる。ぜひ多くの方に、HIT法に触れていただき、日本全体を元気にしていくお手伝いができればいいと願っている。