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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

日本が誇る医療機器のオンリーワン企業!
マニーの松谷会長に学ぶ「失敗を生かす力」(後編)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第2回】 2009年5月7日
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マニーの事業戦略はいわゆるニッチ戦略である。それを大元で支える企業理念は、「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」。それをブレークダウンした経営方針は、トレードオフ=何をやらないかを明確にすることだ。具体的には①医療機器以外はやらない、②保有技術の無い製品はやらない、③世界一の品質以外は目指さない、④ニッチ市場(世界の市場規模が1000億円以下)以外はやらない、⑤世界中に販売できないものはやらない――である。それでは今後のドメイン(事業領域)は変わらないのか。それで成長はできるのか。

松谷貫司(まつたに かんじ) マニー株式会社 取締役会議長兼代表執行役会長

松谷:(事業領域については)今しばらくはこのままでいきます。ただ、将来に向けて、その「枠」をどう打ち破っていくかが重要です。だから、現実のオペレーションでは戦略が必要ですが、枠から出るというような長期でモノを考えるときには理念が重要です。枠から出るときの判断の基準として理念がある。社会に貢献していくために、今持っていない強みをどうやって作っていくか。その際、現場にタガをはめすぎてはいけない。とはいえ、現場にはある程度タガをはめる必要もあるので、次の一手を考えるのがトップの仕事になります。

 タガを緩めるときは事業の枠が一段と大きくなるときで、そういう決断の時は5年か10年に1回しかきません。その時の問題はどういう方向にタガを外していくかということで、常にそのことを考えてきました。枠を広げるときに、枠の外に出ていくわけですが、枠の周辺にある「隣地」は、成功する確率が高い。だから、その場所が隣地なのか、枠からずっと離れている「飛び地」なのかを、判断することが重要です。

 我々が持っている強み、技術、企業文化から、そこが隣地か飛び地かを判断する。外の人から見ると飛び地とは見えなくても、我々から見ると、そこは飛び地かもしれません。だから、判断に当たっては、自分たちのコアコンピタンス(中核的能力)の見極めが、一番重要です。自分で自分を理解していないと、遠くの飛び地が飛び地に見えなくなってしまう危険があります。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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