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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

途上国への学校建設から地雷除去まで。
借金してでも「社会貢献」にハマる若者たち

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第3回】 2009年8月18日
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 いま、若者の社会貢献熱が凄い。大学生を中心とした10代、20代の若者たちの社会貢献にかける情熱が、ハンパではなくなってきているのだ。

 この連載の第1回でもお伝えしたとおり、昔の大学生は借金してでもクルマを買って女の子とデートしていた。女子大生はバイトに励み、スキーやテニスの最新ギアやウェアを毎年買っていた。遊ぶ金を作るためにディスコ・パーティーを開き、自分たちのためにチケットを売っていた。

 しかし、いまの若者は、途上国の現状を自分の目で確かめるために借金してでも世界を廻る。途上国に学校や診療所を作るためにクラブ・イベントを開き、見ず知らずの他人の幸せのためにチケットを売る。

 いったい何が起こっているのか――。今回はその実態をレポートしつつ、その熱狂の本質に迫ってみたい。

ギャルとギャル男の社会貢献!?
自分たちのやり方で、途上国を支援

 「GRAPHIS」という学生団体がある。都内の大学を中心に、約30大学の学生が参加する。その案内パンフを見ると、冒頭のページで主要メンバーが紹介されている。ほとんどが茶髪、金髪。キャバ嬢風メイクの女子大生と、ホスト風の男子学生の写真がズラリと掲載されているのである。まさにギャルとギャル男のサークルにしか見えないのだが、実はれっきとした国際協力団体、しかも医療支援を行なうNGOなのである。

 彼らは、全国の学生チャリティ団体と連動して「ラブチャリ」というクラブイベントを開催したり、オリジナルのCDを発売したりして、そこで得た収益でカンボジアに小学校を作り、診療所を建設するプロジェクトを立ち上げ、診療所まで救急車が通れるように荒れた道路を整備する活動まで行なっている。

【写真左】彼らが主催するイベント「ラブチャリ」。若者に絶大な人気を誇るカリスマモデル「梅つば夫妻」の姿も。【写真右】「GRAPHIS」が途上国に建設した小学校の1つ。
「GRAPHIS」のメンバーは実際に途上国に渡り、現地の子どもたちと交流を深めている。

 「GRAPHIS」が医療支援を行なうのは、初代代表の石松宏章君(東京医科大学)が現役の医大生だったからだが、活動当初はイベントのパンフレットを作りすぎたりもして140万円もの借金を背負うこともあったとか。それでも諦めずに活動を続け、学生はもちろん、ギャル社長として有名な藤田志穂氏やカリスマモデルの梅つば夫妻など、さまざまな支援者が増え、大きな成果をあげていった。

 その活動の模様はこの秋、ドキュメンタリー映画として公開される予定。また、石松君自身の手記が講談社から出版される予定もあるという。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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