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2012年9月24日
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ネット・リテラシー再考
鍵は"利便性"と"安全性"のバランス
利活用の輪をさらに広げるために

昨年度に出荷台数が急増し、その割合が携帯電話全体の5割を超えたスマートフォン。従来にない高度なサービスを実現するために端末内のさまざまなユーザー情報を利用することから、情報の取得・利用の透明性や取り扱い指針の明確化、安全に利用するための知識の啓発などが急がれている。総務省が動きだした。

端末内のユーザー情報を
利用して高度なサービスを
実現するスマートフォン

 昨年度、国内におけるスマートフォンの出荷台数は躍進し、2000万台を大きく上回った。携帯電話全体に占める割合も5割を超えたという(※1)

 高い処理能力を持つスマートフォンの特徴は、インターネットを介してアプリをインストールすることで、ユーザーが自由に機能を拡張できる点だ。それぞれのアプリはスマートフォン内のさまざまな情報を利用して、従来にない高度なサービスを実現する。

 その一方で、スマートフォン内に蓄積されるユーザーの行動履歴や通信履歴などの情報を、どのアプリがどのように利用しているのかをユーザーが十分に理解するのが難しくなっており、それに不安を感じるという声もあがっている。

ユーザー情報取り扱いの
基本原則を提示   
事業者、ユーザーの啓発も

 そこで総務省が主催する「利用者視点を踏まえたICT サービスに係る諸問題に関する研究会」は今年8月、スマートフォンのユーザー情報が安心・安全な形で活用され、利便性の高いサービスの提供につながるよう、現状の課題と必要な対応を検討した結果を取りまとめた『スマートフォン プライバシー イニシアティブ』を公表した(※2)

 同イニシアティブでは、ユーザー情報の取り扱いに関する基本原則を提示するとともに、スマートフォン用OSや広告配信システムなどを提供する事業者に対し、基本原則にのっとったプライバシー・ポリシーの策定や適切な安全管理措置の実施などを求めている。

 さらに総務省は9月、ユーザーがスマートフォンを安心して利用できる環境を整備するための取り組み事項をまとめた『スマートフォン安心・安全利用促進プログラム』を公表した(※3)

 同プログラムは、スマートフォンを安心・安全に利用するための「ユーザーに対する周知啓発活動」、ユーザー情報の利用に関するガイドライン策定の支援などを含む「アプリ提供側への支援と情報提供」、青少年や高齢者への浸透を受けた「青少年や高齢者に必要な利用環境の整備」の三つを柱とする。

 スマートフォンのさらなる普及、関連ビジネスの拡大を見据え、社会全体に利便性と安全性のバランスも考慮したリテラシーの確立が求められている。

※1 MM 総研調べ『スマートフォン市場規模の推移・予測(12年3月)』によれば、2011年度のスマートフォンを含む携帯電話全体の出荷台数は約4190万台。そのうちスマートフォンの出荷台数は前年度比2.7倍の約2340万台に達し、携帯電話全体の55.8%を占めた。この割合は今後も高まると見込まれる。

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