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新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

準強姦罪で逮捕・懲戒免職の警察官は
釈放後「納得いかない」と言った
お巡りさん、それはこっちの台詞だぜ

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第2回】 2012年9月21日
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 大量の資料を前に、思わず腕組みをし、う~むと唸ってしまう。

 資料ファイルには『警察官・教師の不祥事・わいせつ事件』というタイトルがつけてある。この二十五年というもの、仕事に必要な新聞の切り抜きをずっとスクラップしているのだが、この項目だけは途中でやめたこともあった。

 あまりの多さにうんざりしてしまうのだ、警察官と教師のわいせつ事件は。
  何でだ? と思ってしまうくらいに多発、続発、頻発で、摘発される。

 わいせつ行為に手を染める愚か者に公務員も民間人もないのだが、この愚か者たちに共通しているのは、己の立場をわきまえていない――、ということだ。社会的な信用や地位を失うことを厭わず、性欲を優先するのである。

 つい先ごろも、その典型的な破廉恥魔が逮捕された。八月二十二日のことだ。

 女性のスカート内を“盗撮”したとして逮捕されたのは大歳卓麻容疑者。驚いたことに、日本IBM社の元社長だった(新聞報道は八月三十一日)。逮捕時の年齢は六三歳である。

 本人は、盗撮に興味があった、と容疑を認めているが、犯行時、大歳氏の肩書きは日本IBM社の最高顧問に加え、カルビー、三菱UFJファイナンシャルグループ、明治安田生命保険、花王、TOTO計五社の社外取締役を兼任していた。

 今回の逮捕により、全ての役職を辞任。さらには、総務省の諮問機関でもある情報通信審議会の会長を辞め、経済同友会も退会した……、盗撮というハレンチ行為ひとつで、氏はこれだけの名誉職と役員報酬を失った。額にして、およそ七〇〇〇万である。

 トップにまで登り詰めた人間のわいせつ事件にはいつも“何故なんだ”の疑問がついてまわるが、同じことは教師や警察官の不祥事・わいせつ事件にも言える。全てを失いかねない犯罪を犯すことに、彼らは抵抗がないのだろうか。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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