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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

企業低迷の原因は
事業の定義と現実との乖離

上田惇生
【第35回】 2008年2月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
未来への決断
ダイヤモンド社刊 2427円(税別)

 「マネジメント、特にこれまで順調だった大企業のマネジメントにとっては、これからは何を行うかが問題になる」(『未来への決断』)

 順風満帆だった大企業が、突然危機に直面し、低迷し、挫折する。だが原因は方法が下手だったからではない。つまりマネジメントに失敗したためではない。大抵は正しく行なっている。実を結ばないことを行なうようになったにすぎない。

 なぜなら、事業の定義としてきたものが、現実にそぐわなくなったためである。

 第一に環境としての市場がある。顧客や競争相手の価値観と行動である。第二に自らの目的、使命がある。第三に自らの強みと弱みがある。

 この3つが、ドラッカーが「事業の定義」と呼ぶものを構成する。 事業の定義のなかには、長く生き続ける強力なものがある。だが、人のつくるものに永遠のものはない。

 事業の定義が陳腐化してきたときの最初の反応は、保身である。現実を直視せず何事も起こっていないかのように振る舞う。次によく見られる対応が、小手先の対策である。こうして気がついたときには惨事となっている。今日の日本の苦悩の最大要因である。

 「事業の定義が陳腐化しつつあることが分かったならば、新たな定義を行い、事業の方針と方法を変えなければならない。自らの行動を、市場の現実と、自らの使命として規定すべきものと、獲得すべき強みに沿ったものにしなければならない」(『未来への決断』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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