MDBDは、三つのステップで構成される。まず、顧客を理解しニーズと提供価値を探索するターゲティング(T)、事業モデルとビジネス生態系を設計するポジショニング(P)、そして実践を通じて改善点を発見し事業をローンチさせるメイキング(M)である。

 それぞれのステップにおけるポイントとして、及川社長は次の点を挙げる。「ターゲティングでは、一般的な定量調査による顧客理解のみでは、強くてかつユニークなニーズは見えてきません。ここでは、当たり前の仮説にとらわれない洞察に至る、思考法や方法論が必要となります。

 ポジショニングでは、既存顧客のニーズだけを深堀しても、既存の製品やサービスを拡張する程度の可能性しか見えてきません。収益を確保するためのモデルや、自社内外のプレーヤーを連携させる生態系(エコシステム)の構築が重要になります。

 そして意外と見逃されているのがメイキング。すでに確立された事業の推進・管理の方法よりも、試行錯誤を繰り返す学習のプロセスに積極的に取り組むことが求められます」。

 電通コンサルティングでは、この三つのステップを分断させず、「TPMサイクル」として回しながら、顧客の心を動かすような提供価値を持った事業の創造を支援していく。