株式調査部の黒い歴史「このクソ株をどいつにハメるか」

 みんな知っていることだが、投資銀行部門と株式調査部には黒い歴史がある。

 ある会社が新たに株式を発行するとしよう。また、上場して株式公開することを考えてもいい。ここで新たに発行された株数×株価の現金が会社に流れこんでくるわけだから、株価は当然高いほうがいい。そこで企業としては、株価を引き上げてくれるトップ・アナリストが在籍する投資銀行に、こういった業務を頼むのである。大きな会社のIPOや企業合併などでは、時に数百億円の手数料が投資銀行に支払われる。そのお返しとして、株式調査部のトップ・アナリストが提灯レポートを書くのである。本来、投資銀行部門と独立しているはずの株式調査部は、このような微妙なビジネスをしていたのだ。

 たとえば、以前、藤原紀香と付き合っているところをフライデーされた、イケメンのアナリストのIさんは、巨大な企業合併などが繰り返されていた2000年頃に、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどをカバーする通信セクターのトップ・アナリストだった。当時、Iさんが在籍していたシティ・グループは、おかげで通信セクターの巨大ディールを多数獲得し、Iさんに数億円のボーナスを支払っていたといわれている。

 しかし、アメリカで2000年ぐらいまで続いたITバブルのときに、今まで一度も利益を出したことがないネット企業が、ネットというだけで次々とIPOして、信じられないような値段がついていたのだが、このときにメリルリンチのセールスが社内で「このクソ株をどいつにハメるか」とか「こんなボロ株買う奴の脳みそは腐っている」などとメールでやり取りしていて、そのクソ株をメリルリンチのアナリストが、ピカピカの将来性有望な企業として強い買い推奨をしていたのだ。

 そしてITバブルがはじけて、クソ株はやっぱりクソ株なので、高い値段でつかまされた機関投資家は暴落や倒産で大損こいた。大損こいたらむかつくので投資銀行を訴えまくったのである。そして世論も味方して、結局、株式調査部と投資銀行部門の情報交換が非常に厳しく規制されるようになったのである。その結果、以前は億単位のボーナスをもらっていた投資銀行のトップ・アナリストたちは、せいぜい数千万円という薄給に落ちぶれたのだ。