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金融市場異論百出

FOMCの失業率判断に変化
QE3は“ただ飯”ではない

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年9月26日
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 「重大な懸念(grave concern)」。バーナンキFRB議長は、8月末の講演で米国の労働市場の改善が遅いことに対する心配を、最大限の言葉で表した。9月13日のFOMCでFRBは、MBS(住宅ローン担保証券)をオープンエンド方式(総額の購入額を定めない方式)で毎月400億ドル購入する大規模資産購入策(QE3)を決定した。労働市場が顕著な改善を示さなければFRBはこの政策を継続することに加え、新たな手段を取ることも示唆された。

 オペレーションツイスト(残存期間の長い国債の購入と、短い国債の売却)は、年末で終了する。与野党間で「財政の崖」の回避に向けた合意が遅れ、雇用情勢に悪影響をもたらすようであれば、FRBは12月12日のFOMCで、年明け以降も長期国債の購入を継続することを決定するだろう。ゼロ金利政策が継続される時期は今回「2015年半ば」に延ばされたが、緩和効果を高めるためのさらなるコミュニケーション戦略の強化をバーナンキは示唆した。

 FRBが大規模資産購入策を減額するタイミングを読む上では、FRB幹部の経済予測が発表される四半期末近くのFOMCが来年は注目されることになるだろう。

 FOMCメンバーの14年末の失業率予想の中央値は、6月時点では7.35%だったが、今回は7%に引き下げられた。しかし、14年末までゼロ金利政策を継続するべきだと考えるメンバーは、逆に6人から13人に増加した。6月時点では多くのメンバーは失業率が7.5%を割れたら利上げを開始してもよいと考えていた節があったが、今回は7%を割らなければ金融引き締めに着手すべきではないと考える人が増加した。FOMCメンバーの緩和姿勢は一段と強まったといえる。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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