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【第69回】 2012年9月26日
著者・コラム紹介
吉田由紀子

世界のみんなと歌える音楽共創アプリ「nana」で
地球の裏側とのセッションも実現可能に

“世界と歌う”をコンセプトにしたミュージックコラボレーションアプリ「nana」。離れた人々との合唱、バンドセッションが手軽に実現できる。

 8月にリリースされた「nana」は、合奏やコラボを楽しむiPhone用音楽アプリ。見知らぬ者同士がネットを通じて一つの曲を作り上げていく、そんなコラボがいとも簡単に実現できる。

 これまでもコアな音楽ファン向けにバーチャルセッションが楽しめる「MYTRACKs」など人気を博すアプリは多くあったが、一般ユーザーにとっては、ややハードルの高いジャンルであった。nanaは楽器演奏やDTM(デスクトップミュージック)ソフトの経験は一切不要。その使い勝手の良さで、思い切りハードルを下げたとして、リリース直後から音楽好きのIT関係者の間で話題になっている。

 使い方はじつに簡単。ユーザーは、iPhoneのマイクを使って歌や演奏を録音する。これをサーバにアップロードするだけ。サウンドにはエコーなど様々なエフェクトをかけることができる。この操作もワンタッチだ。

 タイムラインで気に入った音源を見つけたら、再生しながら、歌や演奏の重ね取りもできる。それを繰り返せば、ひとりでバンド演奏も可能だ。森山直太朗の「さくら(独唱)」を何度も重ね録りし、“ひとりアカペラ”を完成したユーザーもいる。

 米国同時多発テロの追悼式が行われた9月11日には、あるユーザーの呼びかけで小田和正の「言葉にできない」の歌唱が次々と広がり、大合唱へと展開していくという感動的な場面もあった。

 実は、このアプリの誕生には、一つの曲の存在がある。2010年、大地震に見舞われたハイチの復興を支援するため、大物ミュージシャンや俳優が集結して作られた「We Are The World 25 for Haiti」である。

 「この映像を見て感銘を受け、音楽を通じた様々な共有体験をしたいと思ったことがnanaのアイデアのキッカケとなりました」(株式会社nana music文原明臣氏)

 学生時代、独学で歌を学び、シンガーを目指していた文原氏。卒業後は別の道へ進んだものの、音楽への想いは尽きることがなく、より良い音楽の在り方を求めて、2011年に同社を立ち上げた。

 次なるステップは、英語版のリリースだ。その後、多言語展開を目標に現在開発が進められている。

 今後は、さらに高度な編集作業を行ったり、手元にある音源をアップロードしたり、より高音質での録音を可能にするため、本格的なウェブサービスの開発も同時に進行している。

 将来的には、アプリを通してオリジナルの音源を販売したり、多彩なエフェクト機能を有料オプションサービスとして付加していく構想もあるという。

 今後、英語版がリリースされ、市場に広まっていけば、地球の裏側の人と楽器でセッションをしたり、合唱団を作ることだって夢ではない。仕事の合間に、ふと口ずさんだ歌が世界を駆け巡る。そんな展開もあり得るのではないだろうか。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R)

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