ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
美人のもと

お土産さん

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第140回】 2012年9月26日
著者・コラム紹介バックナンバー

 夏休み、そして行楽の秋。何かにつけ旅に出たくなる人は多い。気分をリフレッシュさせたり、新しい刺激を発見したり、旅は私たちを幸せにしてくれる。

 そんな幸せのお裾分けともいうべきものが、お土産だろう。誰かからお土産をいただくとやはりうれしい。

 美人はお土産がうまい。もらってうれしいのだ。旅の楽しさを共有できるような喜びがある。「あっ、いい旅をしてきたんだな」と思えて、こちらまで気持よくなる。

 選ばれたお土産が「本当にあげたいから買った」と思えるものなのだ。これは自分用に選んでくれたのだと思えるもの。高価でなくても、気持が入っている。笑顔が見えるようだ。

 心がこもった一つ一つのお土産は「美人のもと」をつくるのではないだろうか。

 お土産は期待されていない。だから、「あげたいと思えるものと出会えばあげる」でいいのだ。そもそも、お土産ばかり探している旅はつまらないものだ。

 ところが、お土産を買いに旅に行っているのではないかと思える人がいる。同じものを大量に買っている人だ。しかも大きなものを選ぶ。おかげで旅の帰りには大荷物だ。他人に配るので、きちんとバッグに入れることもなく、店でもらった袋に詰め込む。駅で袋が破れて困ってしまう。仕方なく、そこでしゃがみこんでバッグに押しこむ。そこが通路であっても。しゃがみこんで整理をしている人をみると「美人のもと」が減っていくのがわかる。

 なんでそうなってしまうのか。まず、行く前に、旅行に行くことを言いふらす。そして、帰ってきて報告することが快感になっていく。期待もされていないのに、報告が義務になる。「旅行アピール」が激しいのだ。「うらやましいな」「すごいな」の声のために必死なのだ。他人に自慢することだけが喜びになっている。気づけば旅を楽しむのを忘れ、お土産購入に時間を支配される。

 旅は、まず自分自身の楽しみであることを忘れないようにしたい。自分がとことん楽しむことに集中していれば、きっといいお土産とも出会えるのだ。それこそが「美人のもと」をつくる出会いなのだろう。

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

「美人のもと」

⇒バックナンバー一覧