融資のときだけ「決算だけ」の税理士に
試算表の作成を依頼するのも一つの方法

 連載の第2回で触れたように、「決算だけ」の最大のデメリットは金融機関に融資を申請する際に、直近の試算表をすぐに提出できないことです。決算直後の申請であれば、「決算だけ」の税理士に作成してもらった決算書を提出すれば済みますが、決算から半年近く経ってしまった場合、そうはいきません。

 税理士の署名がなければ、受け付けてもらえないとは限りませんが、相当厳しい目でチェックされることを覚悟しなければなりません。「とにかく利益が出ていればOK」と思っている人が多いようですが、金融機関は利益が出ていれば、その利益が本物かどうかを疑います。

 たとえば、いまや年数が経って、資産価値のほとんどなくなった固定資産を減価償却されずに資産計上されているような場合、金融機関側はそのぶんの利益を差し引いて審査します。このように融資にあたっては、単に利益が出ているだけでは不十分で、利益の中身も問われるのです。

 だからといって、安易に数字をいじろうとすると、いわゆる「粉飾」になってしまい、見る人が見ればすぐに気がつきます。もちろん、一発で融資を断られる結果となるでしょう。

 ですから、融資を頻繁に申し込む可能性の高い会社は無理をせず顧問契約を選び、当面借入の予定がない、もしくは借りるとしても一刻を争う必要のない会社は「決算だけ」を選び、融資が必要になったときだけ、「決算だけ」を依頼した税理士に、別途、月次試算表の作成をお願いするのも一つの方法です。