ベトナム 2012年10月1日

ベトナム人の間で外国旅行がブームに。
人気はカンボジアで3泊で1万5000円!

日本で15年間の編集者生活を送った後、ベトナムに渡って起業した中安記者が、ベトナムで最近ブームの外国旅行についてレポートします。

ベトナム人の外国旅行ブームがビジネスチャンスに

 「私の友だちのタオさん一家、今年も夏休みは家族で外国旅行に行ったんですって」
と妻が言う。これが暗に「私も外国旅行に行きたいわ」というプッシュであるのは言うまでもないのだが、それはひとまず棚に上げておくとして、今やベトナム人の間でも、外国旅行は特別なものではなくなりつつある。旅行会社は近隣諸国を中心に様々なパッケージツアーを販売し、ベトナム語の新聞を見ても旅行の広告が目につく。また諸外国の側でも、ベトナム人旅行者の勧誘に力を入れている。

 それを目の当たりにしたのが、9月12日から14日まで、ホーチミン市で開催された「国際旅行博」(International Tourism Expo)、略称ITEだ。

ITEが開催されたホーチミン市7区にあるサイゴン国際会議展示会場(SECC)【撮影/中安昭人】

 今年で8回目の開催になるITEは、国内では唯一と言っていい大規模な旅行フェア。元々は、ベトナムへの旅行者誘致のために始められたもので、ベトナム国内の旅行業者が、自分たちの旅行商品(ホテルやツアーなど)を、国外の旅行会社にPRするための場であった。しかし、ベトナム人の間で外国旅行が盛んになるにつれ、ITEもその性格を変えつつある。ベトナム国外の旅行業者が、ベトナム人に自国の旅行商品を売り込む場になってきたのだ。

 私は、ホーチミン市観光局と仕事をしていることもあり、ほぼ毎年、ITEを訪れている。今年も弊社で発行している雑誌『アットサイゴン』の取材も兼ねて足を運んだ。

 今年の総出展者数は約150。約半数が国外からの出展者である。中でも目を引いたのが隣国・カンボジアのブースだ。カンボジア観光省をはじめ30近い旅行業者が出展していた。国外からの出展者の約半数がカンボジアからの参加ということになる。

人気のカンボジアのブース【撮影/中安昭人】

 カンボジア観光の目玉はもちろんアンコール遺跡群。ベトナム人にとってもアンコール遺跡は人気で、訪れる外国人でいちばん多いのはベトナム人だとか。ホーチミン市からは数多くのツアーが催行されており、しかも安い。2009年に、私が妻と一緒に初めてアンコール遺跡を訪れたときは、シェムリアップ2泊、プノンペン1泊、計3泊4日という、いちばん売れ筋のバスツアーに参加した。

 宿泊代、交通費、1日3食の食事代もすべて込みで1人約1万5000円。値段を聞いたときは「大丈夫だろうか」と心配したが、シェムリアップで泊まったホテルは、中庭に大きなプールがあるリゾートホテル。食事も毎回食べきれないくらいの料理が出て、ガイドさんも非常に親切。コストパフォーマンスの高いツアーだった。今も同じくらいの値段でツアーが催行されている。

 カンボジアがベトナム人に人気がある理由は、アンコール遺跡以外にもう一つあって、それはカジノ。ベトナム国内では、ベトナム人はカジノへの立ち入りが禁止されている。しかしカンボジアではそういう制限はない。だからカンボジアへ行く楽しみの1つはカジノなのである。プノンペンにある「ナガワールド」という複合エンターテインメント施設は大きなカジノを持っており、ベトナム人に大人気。我々が参加したツアーでも、もちろん行程に組み込まれていた。ITEでも毎年のように大きなブースを出している。

カジノが人気のナガワールド(カンボジア)は、定期的にショーを開催し、注目を集めていた【撮影/中安昭人】

 その他、ラオス、ミャンマー、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、香港、韓国など、近隣諸国はもちろんのこと、エジプト、インド、トルコなど、決して近いとは言えない国々もブースを出展していた。それらの国々が、ベトナム人の外国旅行ブームを、ビジネスチャンスととらえていることが、ひしひしと感じらる。

タイもベトナム人にとっては、もっとも人気のある旅行先だ【撮影/中安昭人】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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