われわれは知らず知らずのうちにオムニチャネル時代に生きている。一方で小売業・サービス業はオムニチャネル時代の主人公である顧客の生活シーンを盛り上げる場を提供する必要がある。しかし、盛り上げることそのものを意識するのでなく、あくまでも「シームレス」かつ、第1回で紹介した「5C」のコンセプトを意識した演出でなければならない。

「売り切りご免」は今は昔、
流通構造を変えるオムニチャネル

 図1は、オムニチャネルのチャネルごとの位置付けと、消費者の購買まで、そして購買以降の一連のステージを表したものである。雑誌やカタログで気になる商品を見つけてから、実際に購入するまでの行動を例に取っている。

オムニチャネル時代と<br />カスタマー・エキスペリエンス(CX)【図1】
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 今までの買い物は、単にカタログを見て、あるいは店舗で商品を直接確認して購入するといった流れであった。対してオムニチャネル時代は、スマートフォンを活用して事前に、あるいは店舗に行った際に他店との価格の比較をするという行為が発生する。

 来店時に「チェックイン機能」でポイントやクーポンを獲得し、さらにSNSを活用することで、リアルとネットの空間を自由に飛び回る画期的なステージが展開することがわかるだろう。第2回第3回でご紹介した「OLサチ」もまさしくこのような世界で生活していることになる。