ビジネスモデルの破壊者たち
【第70回】 2009年11月26日
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瀧口範子 [ジャーナリスト]

アマゾンのキンドルを脅かす
電子書籍リーダーの大穴「ヌック」の秘密

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大手書店チェーンのバーンズ&ノーブルが10月に発売した電子書籍リーダーの「Nook(ヌック)」。発売から1ヶ月余りで早くも品薄状態の大人気。Photo (c) AP Images

 「2010年は電子書籍リーダーの年」。

 これは、アメリカのテクノロジー・ウォッチャーや投資アナリストらの一致する見方だ。

 電子書籍市場は過去1年で約3倍に拡大し、今後1年間でさらに3倍増えると見込まれている。この勢いに乗って、電子書籍リーダーの販売台数も2009年に300万台に到達する見通しだ。

 その今年最終戦であり、来年の前哨戦ともいえるクリスマス商戦が近づいてきた。しかし、クリスマスをまだ1ヶ月も前にして、完売に近い品薄状態に陥ってしまった電子書籍リーダーがある。書店チェーン大手のバーンズ&ノーブルが今年10月に投入した「Nook(ヌック)」がそれだ。

 このヌックは、デバイス開発会社のプラスティック・ロジック社が設計・製造したもので、バーンズ&ノーブルが100万以上の書籍や雑誌タイトルを揃えて販売している。早くも在庫切れの状態に、バーンズ&ノーブルは「予想以上の反響」と嬉しい悲鳴を上げている。

 ヌックの登場で、アマゾンの電子書籍リーダー「キンドル」がほぼ独占していたアメリカの電子書籍リーダー市場は一気に戦国時代に突入する気配を見せている。後述するように、ソニーを含め、強力プレーヤーが、これで勢揃いしたからである。

 全米に720件の書店チェーンを構えるバーンズ&ノーブルにとって、オンラインで書籍を売るアマゾンはその登場以来、「招かれざる客」だった。“路面書店”の存在を希薄させた上に、激安価格で書籍を販売し、人々をインターネットへと囲い込む。アマゾンのおかげで、全米の書店では閑古鳥が鳴き、バーンズ&ノーブルも多数の店舗を閉鎖せざるを得ない状況に追い込まれた。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

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