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資源価格暴騰が引き起こす日本農業の「知られざる危機」

週刊ダイヤモンド編集部
2008年7月29日
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 この7月、国内の化学肥料市場の6割強のシェアを握る全農(全国農業協同組合連合会)が肥料価格を一気に6割も値上げし、全国の農家に衝撃が走っている。

 全農の試算によれば、耕地面積1アール当たりで収穫できるコメの代金は全国平均で約11万3000円。これに対し、肥料代が約8000円と言われているが、今回の値上げで約5000円の負担増となる。農業用燃油や農機具の値上がりまで含めれば、1アール当たり約3万6000円とされる農家の手取りの5分の1以上が吹っ飛ぶことになる。

 肥料値上がりの元凶は、原油高に始まる資源価格高騰→穀物相場上昇→食料増産圧力の連鎖にある。肥料の三大要素はリン酸、カリウム、窒素だが、いずれも、この3年間で3~5倍に暴騰している。

 まずは、リン酸原料のリン鉱石。世界2位の産出国である米国が1996年に輸出禁止に踏み切り、今年は世界1位の中国も100%の輸出関税を課して実質輸出禁止とした。

 カナダとロシア、ベラルーシの輸出会社3社が世界シェアの7割以上を握るカリウムも需給逼迫にさらされている。世界最大の輸入国である中国が今春、前年比3倍以上の値上げをのまされたばかり。それでも必要量を手当てできないため、前出のリン鉱石を含む化学肥料・肥料原料を実質輸出禁止にした経緯がある。

 窒素価格も当面下がる気配はない。原料となる尿素の最大供給元が産油国で、原油相場に価格が連動しているためだ。日本は肥料原料のほとんどを輸入に頼っており、しかもその世界シェアは2%台しかなく、バイイングパワーを発揮する余地もない。

 世界規模での肥料争奪戦はすでに激化している。肥料価格上昇が農家を廃業に追い込めば、日本はコメの自給さえままならぬ窮地に立たされる。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 小出康成)

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