大手の反撃と新たな転機

 一方で、メソッドの知名度が増すごとに周囲他社からの反撃も開始されます。他社といっても、この業界、みんなジャイアントばかりで、メソッドに比べると計り知れない額の予算で新グリーン商品が投入されました。

 また、2008年の景気後退の時期には辛酸をなめています。成長途上、もしくはそれほど業界破壊力のなかった商品ラインの撤廃、雇用調整、役員入れ替えなど一通り経験しました。

 日本進出というのは、それらのプロセスを経て、新たな転機を迎えつつある時期とちょうど重なっていました。フランスに進出したのも同時期のことです。

 日本進出は彼らにとって、アジア太平洋地域で成功を収めるための重要拠点という意味合いもあり(当時、中国への進出にはたいへん否定的でした)、その意気込みは相当強かったようです。エリック、アダムにとっては、ほかの国々でセールスしていくうえで、とっておきのセールストークになるという狙いもあったようです。

 偶然にも、昨年2011年8月には、ダイヤモンドオンラインの「ビジネスモデルの破壊者たち」で、ジャーナリストの瀧口範子さんによってメソッドが記事として取り上げられていますが、日本でもメソッドの存在は、これから徐々に知られていくことでしょう。

 さて次回は、メソッドの成長の源泉である「環境とデザインの融合」について触れてみようと思います。ちなみに、トイレ用洗剤を飲み干して安全性をアピールしたのはエリックのほうです。飲み干した後に、アダムに連絡を取り、「飲んでも大丈夫だよね?」と確認したときに、アダムは「今度飲むんだったら、ミントが控えめなバスクリーナーがお勧めだよ」と言ったとか、言わなかったとか。
 


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