人を増やして大きくしても、
10年後、どうするのか?

 これが当たるかどうかはわかりませんが、現実的に考えて、日本は今後、超高齢化社会になることが見えていて、働き盛りの人が少なくなり、年齢の高い人がどんどん増えていきます。そう考えると、「右肩上がりの経済」になるとは到底考えられません。

 会社のことを考えたとき、これからあと10年程度、人を増やして売上を増やし、会社を大きくしていくことは可能かもしれません。ただ、それができたとしてもその後どうするのか、という問題が残ります。

 また中小企業は、直接の取引先が景気に影響されない会社でも、その「取引先の取引先」が景気に左右されて売上が落ち、結果、影響を受けるということが多々あります。「うちは景気に左右されないから大丈夫」ということは、現実的にはありません。

 2008年ごろのリーマン・ショックのときもそうでした。あまり景気に左右されることのなさそうな会社であっても、立ち行かなくなってしまったことがありました。

 こうした点から考えてみても、「人をどんどん雇って規模を大きくし、売上を増やしていき、利益を出し続けること」がいかに大変なことか、おわかりいただけるかと思います。

 そうであれば、小さな会社で柔軟に対応し、利益を増やしていったほうが賢明ではないかと私は考えています。