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ソフトバンクの投資判断 モデルポートフォリオの見直し (2012年10月) - 広木隆「ストラテジーレポート」

8月1日付けレポート「推奨銘柄とモデルポートフォリオの見直し」でニコン(7731)、ソフトバンク(9984)、住友不動産(8830)、産業ファンド投資法人(3249)の4銘柄をモデルポートフォリオに追加した。ソフトバンクは米国携帯電話3位のスプリント・ネクステル買収を発表し、株価は急落した後、急反発している。ソフトバンクの位置づけを投資家のタイプ別に以下の通り見直すものとしたい。尚、モデルポートフォリオでの扱いは同社をトレーディング銘柄と位置づけ、年初に掲げた商船三井と同等に、モデルポートフォリオからは除外するものとする。

1年以上、株価の乱高下に耐えられる投資家: Buy & Hold (バイ&ホールド)継続
資金効率を重視したい投資家: 戻り売りで別の銘柄に乗り換える
トレーディングに自信がある投資家: 積極トレーディング対応
ソフトバンク未保有の投資家: 落ち着き所を見定めて買い

投資判断変更の理由:

1. ソフトバンクが急反発している理由は、孫社長が会見でエクイティファイナンス(増資)を明確に否定したからとされる。スプリントの買収資金は手元資金と銀行借り入れで賄うと明言したことで増資による希薄化懸念が後退した、とされるがそれが反発の要因かは疑問である。ソフトバンクが急落した理由に増資懸念があったかもしれないが、そもそもの急落の背景は巨額の買収を仕掛けることのリスク - 買収が成功するかどうかの不透明性、財務面の悪化 ‐ などが市場に嫌気されたからに他ならない。増資懸念が薄れたとしても、根本的な不透明要因はそのままであり、この戻りは暴落の後の自律反発の域を出ないと考える。

2. 8月1日のレポートでソフトバンクの組み入れ理由として、以下の通り述べた。 <ソフトバンクはかつて「国民的仕手株」と言われたことがある。投資家層の広がり、市場人気の高さ、価格変動の激しさ、いずれの面でも「仕手株」の資格あり、だ。2000年のITバブルの頂点で瞬間的に20兆円を上回った時価総額が2年弱で3,000億円を割り、株価は約100分の1に暴落したこともある。ブロードバンド(ADSL)事業への投資で巨額の赤字を垂れ流し、ボーダフォンの買収で膨大な借金を抱え込んだ。利益を生まない会社の株を支えたのは、ヤフーの含み益と、将来「大化け」するかもしれない成長株への「夢」だけだった。しかし、そんな「どこか危なっかしい」企業もすっかり変わった。それを印象づけたのは前期の決算発表の席での孫社長の発言だった。「創業以来の大転換だ」。孫社長はこう述べ、12年3月期の配当を年40円と一気に前の期の8倍に増やすと表明した。借金を返し、配当を払うソフトバンク。もう、ソフトバンクは仕手株ではない。普通の株なのだ。であるならモバイル・キャリア3社の単純な優劣で売買すればよい。> それがどうだろう、もとの「どこか危なっかしい」企業に逆戻りである。そもそもの評価軸から大きなずれが生じてきた。これがソフトバンクに対する投資判断変更の理由である。

3. 株価が暴落した、という事実そのものも投資判断変更の理由になる。通常、これだけの急落を演じるとなかなか株価は落ち着かない。反発局面では戻り待ちの売り、売りそびれた向きの「やれやれ」の売りが頭を押さえる。また、荒っぽい値動きを好むデイ・トレーディングが大量に入り、ファンダメンタルズから乖離した株価アクションになりがちである。ボラティリティが高まることで、いわゆるファイナンス理論上の「リスク」が高くなり一部の機関投資家に敬遠されることにつながる。

4. 財務面の不安について会社側はこう主張する。2006年のボーダフォン日本事業の買収時には、EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)に対する純有利子負債の倍率は5.6倍。今はそれが1.4倍に下がり、スプリント買収後も2.7倍にとどまり海外の主要通信会社と比べても過大な債務ではない、とソフトバンクは説明する。しかし、ボーダフォン買収時と今とでは市場の財務リスクに対するリスク許容度が格段に違う。すなわち、リスク・センシティブ(過敏)になっているのである。特に、機関投資家の一部ではフリーキャッシュフロー(純現金収支)を重視する投資スタンスがある。つまり、通常のビジネスで稼いだ金の範囲に投資を収めること、そうやってキャッシュを積み上げていくことを良しとするものだ。まさに「キャッシュ・イズ・キング(現金こそ王様)」といったデフレ時代を象徴するような投資アプローチだが、これが過去において良好なパフォーマンスをあげてきたのも事実であり、だからこそ信奉者も多い。そういう投資家からは確実に敬遠されるだろう。

株価見通し
急落した分の半値戻し(2,767円)くらいまではあるだろう。そこからは上述したように戻り待ちの売り、売りそびれた向きの「やれやれ」の売りで上値が重くなるだろう。大きな窓を空けて下放れたところの窓埋めとなる2,900円がいいところではないか。一旦、外したい向きは2,750円〜3,000円手前までのレンジで戻り売りを考えるべきだろう。一方、押し目買いや値動きの良さで、短期資金が入り、一大トレーディング銘柄と化すのはほぼ間違いない。何しろ連日1000億円を超える大商いが続いている。東証1部の売買代金の1割を超える商いが、ソフトバンク1銘柄で出来ているのだ。流動性はたっぷりある。これほどトレーディングに適した銘柄はない。しばらくは乱高下が続くだろうから、腕に覚えのある向きは積極的にトレーディング対応されたい。



今回のスプリント買収は、長期的な観点から成長加速に向けた大きな投資であり、飛躍の可能性がある。1年くらいのスパンで見れば再び急落前の高値を抜いていくことも十分に考えられる。ポジションを持っていない投資家は、あくまで乱高下が終わって株価の落ち着きを見定めた後の話だが、新規買いから入ってもいいだろう。

スペクトラム・クランチ
米国では携帯ブロードバンド接続に割り当てられている電波の周波数帯が、スマートフォンやタブレット端末、その他の携帯端末の爆発的な利用増によりデータ・トラフィックが急増して、使い尽くされるという危機的な状況が目前に迫っている。この問題は「スペクトラム・クランチ(周波数逼迫問題)」と呼ばれており、米規制当局の見通しによると早ければ来年にも到来し、2014年にはさらに悪化する。対策が講じられなければスマートフォンのネット回線速度は低下し、接続状況は悪くなり、接続料金は高騰するだろうと言われているのだ。今回のスプリント・ネクステル買収のポイントは、傘下の高速通信業者クリアワイヤ社が保有する周波数を手に入れることである。周波数 ? すなわち通信の「高速道路」というインフラである。

増大するデータ・トラフィックに対応する「高速道路」=周波数が不足する。足りないところを押さえるというのがビジネスの基本である。それを果敢に獲りに行った。そのチャレンジが評価されるのに時間がかかるのは、仕方のないことだろうと思う。だから、それに耐えられない投資家は一度、売る方が賢明というものだろう。しかしインフラを押さえるというのがこのビジネスの要である。それがいかに重要であるかはライバルの株価が示唆している。この買収には大きなポテンシャルがあると思う。長期的には評価できるが、市場の評価が定まるまで株価は落ち着かず荒っぽい値動きになる。そのボラティリティをどう捉えるかで、バイ&ホールド、売却、トレーディング対応と投資判断が異なるという当たり前の帰結である。

他の推奨銘柄について
8月1日付けレポートで挙げたほかの3銘柄にも言及しておこう。
ニコン(7731)
ニコンをこのタイミングで推奨したのは、ライバルである蘭ASMLが次世代露光装置の開発に向け、半導体最大手の 米インテルと手を組むことを決めたという悪材料を嫌気して株価が急落していたからである。それはニコンにとっての致命傷にはならないと判断した。事実、その直後に今度はニコンもインテルと共同で次世代半導体露光装置を開発しているとの報道が流れ株価は急反発した。ところが、ここがニコン経営陣の市場との対話センスのないところを如実に表すものだが、13/3月期の売上高や利益見通しを下方修正したのである。最悪のタイミングだった。インテルとの共同開発のニュースを受けて3日続伸となったところに、冷水を浴びせられて8月9日には8%超の急落を演じることとなった。それでも株価は落ち着き2,000円を下値に底堅く推移してきたが、先週もみあいを下放れ2,000円割れとなったが、この水準では割安感も出るだろう。上述の下方修正の理由はユーロ円の為替レートを円高で見直したものだが、そのユーロ円は8月につけた95円から現在103円と大幅に円安に触れている。Quickコンセンサスによる市場アナリストの経常利益予想の平均は966億円と会社側予想の900億円を上回る。カメラ事業は絶好調であり、むしろ業績の上ぶれ期待が出てもよさそうである。



住友不動産(8830)、産業ファンド投資法人(3249)
相変わらず不動産セクターは日本株のなかで年初来の業種別リターンが断トツの1位を続けている。住友不動産の年初からの上昇率は6割を超えて、また今日も年初来高値更新である。8月1日から計算しても上昇率は1割超である。産業ファンド投資法人(3249)は9月20日に614,000円の高値をつけた。8月1日の終値514,000円からちょうど100,000円、率にして約2割の値上がりである。現在も600,000円台をキープして、それでいて尚且つ4%を超える配当利回りが期待できる。本日の日経新聞でも日銀の追加緩和観測が報道されており、朝方の東京市場では不動産株が買われ、業種別値上がり率でトップとなっている。この流れはまだ継続すると考える。





ユニチャーム(8113)
以前からの推奨銘柄だが8月1日付けレポートで再度採りあげてコメントした銘柄。尖閣問題を機に湧き上がった中国での反日デモの影響が懸念され、9月18日には一時5%を超える急落となったが、結局、株価は落ち着いている。4,400円を挟んだレンジでの横ばい推移だ。中国の反日デモや日本製品の不買運動については楽観的に見ている。その根拠はこちらのレポートで述べた通りである。さすがに自動車などは影響が大きいだろう。自動車購入者自身が反日感情を持っていなくても、今度また暴動が起こればクルマを壊されてしまうリスクがあるだけに高額品の購入には慎重にならざるを得ない。しかし、ユニチャームの製品には影響が少ないと考える。高品質だ、というばかりではなく、同社の製品 – 紙おむつや生理用品 – は、自動車と違って、通常は人目に触れない所に使用するものだからである。






(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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