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楠木建の週刊10倍ツイート

非連続の中の連続(1)
アマゾンの場合

楠木 建 [一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授]
【第23回】 2012年11月1日
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前回までのまとめ~イノベーションについて

 前回、前々回とイノベーションの話をした。ポイントは2つ。第1に、イノベーションは技術進歩とは異なる。既存の価値を連続的に増大させるだけでは、技術進歩ではあってもイノベーションとはいえない。仮にその連続的な価値増大の程度が相対的に大きいとしても、それは「スゴイ技術進歩」であって、イノベーションではない。逆にいえば、そこにほとんど技術進歩といえるものがなかったとしても、顧客にとっての新しい価値の次元を切り拓くものであれば、立派なイノベーションだ。

 第2に、イノベーションは供給よりも需要に関わる現象だということ。供給側の目で見てどんなに「スゴイ」ものであっても、顧客の心と体が動かなければ、イノベーションではない。単なる自己満足に終わってしまう。供給側の提案を顧客が受け入れて、実際に使用し、世の中が動いて初めてイノベーションといえる。

 前回は、航空業界におけるLCC(ローコスト・キャリア)の元祖、サウスウェスト航空の例を使って、イノベーションの非連続性を考察した。航空業界のように技術的に成熟した業界であれば、商売のあらゆることが連続的にしか進んでいかないのが常態だ。だとすれば、そこにいかに非連続性を組み込むか、ここにイノベーションの焦点がある。やり方が確立しきっているように見える成熟した業界に非連続な何かを持ち込むのは容易ではない仕事だ。なぜ容易ではないかについては、前回話した。

 こうした成熟業界に比べて、新しいことが次から次へと生まれている業界、たとえばインターネットに代表されるICT業界はどうだろうか。ビジネスに非連続性を組み込むのは、もちろん絶対的には困難で挑戦的な仕事であるには違いないが、そもそも変化が激しい業界なので、相対的にはイノベーションの機会が豊富にあるように見える。

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楠木 建 [一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授]

1964年東京生まれ。1992年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年より現職。専攻は競争戦略とイノベーション。2010年5月に発行した『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)は、本格経営書として異例のベストセラーとなり、「ビジネス書大賞2011」の大賞を受賞した。ツイッターアカウントは@kenkusunoki


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