遠山周平

第12回 Oct.30.2012 遠山周平

強く優しくを理想の男性像とする、
エシカルドレッシングの薦め

著者・コラム紹介
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 ブルックス ブラザーズのスーツは製造工程や生地などにより、5つのラインに分けられる。一般のエグゼクティブにお勧めは、Aフルハンドメイドの『ゴールデンフリース』19万9500円、Bライトハンドメイドの『1818』約11万から13万円、Cマシンメイドの『レギュラーライン』7万9800円から――の3ライン。

 さらにマニアックなトラッドファンやファッション好き、あるいは音楽や広告産業などに従事するビジネスマンと相性がいいのは、D米国サウスウィックの自社工場などで生産される『オウンメイク』約14万から16万円、Eトム・ブラウンがデザインする『ブラックフリース』約19万円から――の2ライン(販売店舗が限定されている)である。

 次にスーツのモデル(型)であるが、今秋はおよそ5種用意されている。その内訳は、A.もっとも伝統的な3個ボタン段返り衿の『サックモデル』、B.スリムな2個ボタンセンターベントの『フィッジェラルド』、C.2個ボタンと3個ボタンがある『リージェント』、D細身で2個ボタンの『ミラノ』、E今秋登場した細身で3個ボタン段返り衿の『ケンブリッジ』――の5型だ。

 こうしたラインアップのなかから筆者が選んだのは、マシンメイドの『レギュラーライン』で、伝統的な『サックモデル』。

スーツ、シャツ、ネクタイで締めて12万750円

 毎日着る仕事服は、クルマにたとえるなら小型大衆車のようなもの。つまりリーズナブルな価格で、飽きずに長く着用できるデザインを保ち、丈夫で機能的なものが望ましい。『レギュラーライン』の『サックモデル』はそんな条件を満たす服といえよう。

 これに合わせるドレスシャツは8種の衿型から選べ、サイズも豊富だ。ピックアップしたのは、『サックモデル』にもっともマッチする綿オックスフォードの『ポロカラー』。一般的にはボタンダウンと呼ばれている衿型だ。

 実は『ポロカラー』もブルックス ブラザーズが発明したデザイン。ボディは体型にほど好く馴染むスリムフィットを選択した。

 スーツとシャツはオーセンティックなものを選んだので、トレンドはネクタイで表現するのが賢い着こなし方法。

『オウンメイク』から出している72mm幅という細身のストライプタイは、米国の人気TVドラマ『MADMEN』のようなクールなシックスティーズ調。しかも、密な間隔で細い畝をもつシルクレップ地でアンライン(裏地なし)という作りは、長年のトラッドファンをうならせる仕上がりになっている。

『レギュラーライン』千鳥格子柄『サックモデル』スーツ9万3450円。ブルーの綿オックスフォード地でスリムフィットの『ポロカラー』シャツ1万500円。『オウンメイク』のシルクレップ製アンライン仕立てストライプタイ1万6800円。絞めて12万750円。

 デフレや価格破壊が進み、本当にいい仕事スーツが見出しにくい時代だからこそ、信頼がおける店でまっとうなスーツを選ぶ。そんな背筋の伸びたモノ選びの姿勢を失いたくないと思う。

取材協力/ブルックスブラザーズジャパン03-3403-4671

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遠山周平 [服飾評論家]

1951年、東京生まれ。雑誌編集者、新聞記者を経て服飾評論家に。豊富な経験と知識を元に、“自ら買って、試して、書く”を信条とする。著書に『洒脱自在 おとなとしてシックに服とつきあう本』(中央公論新社)など。趣味の裁縫技術を生かし、捨てないお洒落生活を実践中。

 


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